TCRとCB

 NFCの既存ブランクにはCBというシリーズがあります。これはゲイリー・ルーミスの推奨するクランクベイト用ブランクなのですが、
Gloomis時代のCBRを彷彿させるエキストラファーストテーパーで、非常にフレキシブルなティップと張りのあるベリー~バットセクションが特長の人気ブランクスです。

 NFCのジグテキロッドに惚れ込み、それならばと最初に作ってもらったクランキンロッドのサンプルもこのCBブランクを使った物だったのですが、自分にはこのEXファーストアクションのクランキンロッドがどうにも馴染めず、もっと違ったアクションのブランクを要求しました。
 ティップの先端から急激に入っていき、ベリーから張りが出始めるブランクではなく、ルアーをコントロールし易く感度を上げる為にティップを硬く、ベリー部分がフレキシブルで、バットセクションにベンディングがスムーズに移行していくモデレートアクション。思えばそのディスカッションがTCRのスタートだったかも知れません。

・CBベースのクランキンロッドとTCR610MLにそれぞれ約100gの負荷を掛けた写真です。
ティップが深く入っている方がCBベース。TCRのティップセクションの方が曲がっていないのが解ります。

・次にそれぞれ約500gの負荷を掛けた状態です。
 上がTCR610ML、下がCBベースのクランキンロッドなのですが、こうして見ると100gの時と違って、500g負荷では2本の曲りにそれほど違いがないのが解ります。つまりCBの方は軽い負荷でティップがスッと入るものの途中からベリーが強く張り始めるのに対し、TCRの方はベリーから緩やかに曲がっていき500g負荷ではCBと並びます。そしてさらにプログレッシブに曲がっていくのですが、最終的なバットパワーは構造上TCRの方が強いのでリフティングパワーはTCRの方が上です。

開発の初期段階では様々なブランクをテストしました。 

このブランクはトラウト用の物。
バス用と比べてかなりフレキシブルなブランクなのですが、ダルさはまったく無く鞭のようにしなります。しかし芯が出るのが結構速いのでティップバッキングが恐ろしく速く、キャストするにもコツが要る仕様でしたw スピニングで軽いルアー使うブランクでしょうねww

色々と質問頂くんですが、文章ではやっぱ限界あるので考えた末こんな写真にしてみました。
ご参考になれば幸いです。