見た目と中身

Nomadシリーズ初となるグラスロッド、C-66MGをようやくリリース出来ました。

九州で、関東で、琵琶湖で、メキシコで、韓国で長期に渡って鍛え上げてきたロッドだけに脳内期待値も周囲からの期待値も大きく、その分リリース後の安堵感も凄いですww

さて、そんな新しいモデルをリリースした瞬間だからこそ、Nomadシリーズのコンセプトというか、プロダクツとしての立ち位置をもう一度アピールしておこうと思います。

Nomadシリーズはサンディング仕上げという、無塗装ブランクでのフィニッシュを採用しています。

これはブランク表面に塗装を行わず、素材そのものの表面にガイドやリールシートなどを取り付けたネイキッドスタイルをコンセプトとしているからです。

なのでリールシートの中身もカーボンパイプに継ぐ事無く、1本のブランクで形成されています。

これは1本のブランク、それも塗装などが乗っていない素材そのもののブランクを持った際のソリッド感、生の感触を極力損なわず、素材そのものの良さを目一杯引き出す為のコンセプトです。

焼き上げたブランクの表面はテーピング跡が残りゴツゴツザラザラとしていますが、それを大きな研磨機で研磨した仕上げの事をサンディングといいます。

通常はこの上から厚い塗料を乗せ、残った凸凹を綺麗します。

塗料が厚ければそれだけ滑らかで綺麗な表面になりますが、この塗料というのが案外重い為、生のブランクとは結構違ったフィーリングになってしまったりもします。

なのでNomadシリーズではブランク表面への塗装は行わず、無垢の素材に直接パーツを取り付けてフィニッシュとしています。

Nomadシリーズがそれなりに厚くてトルクフルなブランクを使っているにも関わらず、軽くシャープな振り抜けに感じるのは、このネイキッドスタイルコンセプトによるものが大きいのです。

ただしこのサンディング仕上げの表面にはサンディング時に砥石が削った小さな削り痕や、スクリム(素材のシート)の繋ぎ目が見える事があります。

これについては1本1本入念な検品を行い、使用する上で問題のない物だけを販売ラインに乗せています。

ですが、人によってはこうした小傷が気になって仕方ないという人も居ると思います。

そうした方は極力通販ではなく、店頭にて状態をお確かめの上ご購入頂きたいのです。

Nomadシリーズは実用性のみに特化したプロダクツと言って良いと思います。

見た目をもっと綺麗にする為に作業工程を増やす方法もあると思います。

でもその為に価格が上昇してしまうのは本意ではありません。

どうせお金を掛けるなら、見た目ではなく中身に掛けたい。

100%自分主導のロッドブランドをやろうと思った時に決めた事です。

ロッドの値段の内訳というのを考えた事があるでしょうか。

ロッドの値段には材料代の他に工程の手間賃が掛かります。

例えば高級なロッドであれば高い材料、高い精度の工程、そして見た目の部分にも手を入れる事が出来ます。

しかし価格が安くなればなるほど予算は少なくなります。

簡単に言えば

上級機種→中身も見た目もギンギンに出来る

中級機種→見た目か中身かどちらか選択

下位機種→見た目も中身もそれなり

という事になります。

まあもちろん数作れば安くなるという法則もありますが、大きな会社となると社員も多く、利益率も増やさなくてはならなくなるので、その分仕入れ値は安くしないといけません。

ウチのような弱小メーカーでは数売って安くするという方法は困難と言わざるを得ません。

ウチのロッドは見た目よりも中身重視の人が作ってるので、見た目はあまり期待はしない方が良いですw

ただし、中身の方は妥協なくギンギンに作り込んでありますので、ガンガン使い倒してやってください。

そんなこんなで何かの言い訳のようなブログでしたw