月別アーカイブ: 2012年6月

BULLET HEAD

自分が手掛けた最初のマスプロダクツと言えばコイツです。
SHIMANO マッドパピー

実はこのルアー、大前提にまず「¥800程度」という上代が設定されていた為、
様々な部分にコスト面による制限がありました。
また、外観デザインやカラーラインナップも含め、
自分自身、不完全燃焼感の強い仕事でもありました。
今回、”MIBRO”を立ち上げる際、既にいくつかある候補の中からこのルアーを選んだのは、
もっとちゃんと時間とお金を掛けて、このルアーと向き合いたいという気持ちからでした。
先ずは前作を徹底検証。
全体のラインを起こし直して、現時点での自分の理論で構造解析していきます。

フェイス部分のモールドも含め、全体ラインも新シェイプに。
そして各部の最適化。
強度面をクリアしつつ、内部構造の余分な部分を徹底的に削り、
軽量化と同時に、空気室のボアアップ。
これよるレスポンス向上の他に、リトリーブスピードでレンジをコントロールし易くなりました。

全体のシェイプの違いはこんな感じ。

ほぼ同等のサイズ感ですが、不思議とボリュームが違って見えます。
色々とありますが、インジェクトの良い所は、やはりカラーリングです。
ウッドと違って素材に「透明」という選択肢があると、カラーはとても広がります。
例えば今回「GSH-4」というカラーがあります。

コイツを光にかざすと・・・

「いや~ん」ってくらい透けますw
このように、光源の位置で色が変わるルアーがあれば、アプローチもまた変わってきます。
当然、今後の展開として、様々なヒカリモノやインサートプレートもアリです。
クリアABSだけでなく、ボーン素材とかもありナンデス。
実はプロトが完成した時、カラーサンプルを作ろうと塗り始めたら、軽く30色くらい塗ってしまいました。
もちろん、絞込みをやっていく訳ですが、先述したように今後の展開が・・・
そんな訳で、MIBRO BULLETHEAD、KTWと同じく、ロット毎にカラーラインナップが変わりますw
つまり毎回違うカラーで発売されるわけですが、
小ロットの上にこんなワガママを「ウチも勉強になりますから!」と快諾頂いたファクトリーの皆様。
流石「メイドインジャパン」!
実際こちらの方が勉強させて貰ってばっかりなんですけどね・・・(泣)。
そんなこんなで一年近く掛かっちゃいましたが、なんとかお披露目出来ました!!

新ブランドリリース

ちょくちょく釣りに行ったりサボってるせいか、作業が遅れ気味ですwww
さて、今月末リリースに向け頑張ってますが、
KTWLURESのリリースはRodio Drive type-C
いまやウチの看板娘のひとりですw

新色 パーチ

ウチの看板色 レッドシャッドⅡ

神色 セクシーチャート

前々回(?) B7で圧倒的釣果を誇った オザークシャッド

高水温の泥人カラー ホートン
以上の5色でお届けです。
価格は¥2,800(税別)です。
そして今回は、コツコツ進めてきました新ブランドも同時発売致します。
本当はブランドの背景とか、各部のディティールとか紹介したかったのですが、
色々手違いがあり、2ブランド同時発売とか、大変な事になってしまいました(汗)。
という訳で、詳しい説明は後日、追記するとしまして・・・
新ブランド”MIBRO”
BULLET HEADをお届けしたいと思います。

プレモンス

GSH-4

アラバマレッドクロー

テネシーシャッド

マットタイガー
length 55mm
weight 9.8g
depth to 60~90cm
価格は¥1,800(税別)です。
詳細等、また明日にでも・・・。

ニューロッド

最近もっとも多くいただく質問のひとつに、
「今どこのロッド使ってるんですか?」
「この前ブログで載ってたロッドはどこのですか?」
というのがあります。
普通にウチの新ブランドより関心高いみたいで複雑な心境ですw
まあでも、それだけ関心持って貰えるというのは、とても光栄な事です。
というわけで、今使ってるロッドはアメリカ、ワシントン州(DCではないですよ、田舎のほうです)
ノースフォークリバーのほとりにある小さなブランク工場、
Northforkcompositesです。
http://northforkcomposites.jp/
この会社の名前、アメ物好きなら聞いた事があると思いますし、
ゲイリー・ルーミスの名前を知らない人はそうそう居ないと思います。
もちろん自分もそうでしたが、「ま、G-Loomisみたいな感じでしょ?」位にしか思っていませんでした。
しかし、昨年色々と触ってきたロッドの中で、「これは!!」と思ったのがこのロッド、

J-custom1.0というシリーズでした。
高弾性のようにシャキッと軽量でありながら、低弾性のようにムッチリした曲り。
グンっとしなるように曲り、狙った所にそのままリリースするキャスタビリティ。
どこまでも魚に追従するようにベンドしながらも、ド級のトルク感。
ほんとね、「曲がる」と「柔らかい」は別物なんだと。
「硬い」と「パワーがある」は同義語ではないんだと解らせてくれます。
なんというか、とても自然に、身体に負担を掛けずに釣りが出来る釣り竿。
この気持ち良さが気持ち悪い。(もちろん褒め言葉ですw)
そんなロッドです。
世界のバスロッドが進化しているように、ゲイリー・ルーミスもまた進化しているんですね。
これだけのキャリアを持ってしても、決して守りに転じない。
成長を止めない人ってカッコイイです。
なんやかんやで既に5本も買ってしまいましたが、
その分釣りへのモチベーションは最高潮ですwww

台風一過

台風が去ったので釣りに行ってみました。
昨日の夜、釣りに行こうと決めたは良いが、さてどこへ行こう?と散々悩み、
貯水率もなんも解んない芹川ダムで強硬突撃をかましてみましたwww
台風の影響か、前に行った時とは打って変わってド満水。
正にタプタプ、濁り、ゴミだらけと、絵に描いたような様相でした。
まあ、でもこちらもそれを予想して、それなりに用意もしてきましたので・・・。
一応、予想というかプランとしましては、
多分、急激な増水と濁りで魚なスプーク状態(視覚を奪われるので)、
大きな振動を発する物は嫌う傾向にあるはず、
かといって、濁りによって小さなリグでは見つけて貰えず・・・
これまでの経験上、こういう時は普通にテキサスリグやラバージグが強い。
変な小細工なしに、シルエットも大きく、シンカーも重めのテキサスリグ。
そして一応、スピナーベイトも用意。
こういう状況であるからして、振動が小さく、魚をスプークさせ難いBカスタムをチョイス。
あとは適当に色々持っていきました。
で、出てすぐ、物は試しにとテキサスリグ。

いきなりグッドサイズが釣れちゃいます。
20分かそこらでパタパタと立て続けに5本くらい釣れちゃう始末。

FJWRくんもいいのんが釣れちゃいます。
ま~でも、こういう朝から良い時は大抵続かず、
「朝のアレはなんだったんだろうね~」
なんて事が殆どです。
「ま、あんなのはウェルカムドリンクみたいなモン。勝負はこれからや!」
などと気合をいれて突き進みます。
テキサスで釣れるのは分かったので、他のルアーも試します。

スピナーベイトでも釣れたのですが、イマイチ反応がヌルめ・・・。
ゴミと格闘しながらのプラグも非効率。
「やっぱテキサス?」
って事で、再びテキサスキッド登場なんですが、
ま~小さいので40cmくらい、大きいので45cmくらいのが来るわ来るわ。


回復組が一時接岸してるようで、走る走る、もんのすごく引きます。

日中を過ぎ、午後になってもポツポツ釣れ続け、こんなサイズを30本、
久々に手がボロボロになるくらい釣れました。
まあでも、いかにも濁りの入った直後の釣りで、
これが何日かすると上澄みが広がり、魚が目で追うようになるんですよね。
そうなると、今度はフラットサイドクランクとか、ミドストとかが面白くなるんでしょうね~。
ちなみに今日の自分なるの拘りは「ワーム」にありました。
魚を釣ったのは全てGETNETのジャスターホッグ4.3
高比重素材かパタパタ系クロー全盛の中で、ボトムで立つパドルテールはとても貴重です。
こいつと重いシンカー(10g~14g)でしっかり水を押して、抜いたとこで食わせる釣りなんですが、
自分のこの釣りに合うワームは今の所これしかありません。
悔しいけど釣れます。
FJWRくんも結構釣ってましたが、バラシに泣いてました。
次に合う時には課題を修正してくるでしょうねwww
また行きましょ♪

GETNET:ジャスターホッグ4.3
カルティバ:バルキースピア3/0
kanji:センキンバレット10g~14g

効いてよかった

ルアー作りという仕事は、いつも不安と隣合せです。
なにせ言葉が通じない相手(魚)ですからね・・・
何度も何度も検証しても、決して答えが出ない仕事でもあります。
そうした意味で、今回の鋼派はいつもより緊張感で一杯でした。
まあ、自分自身の釣果もさることながら、
前回リリースした”グースネックMR”が果たして関東フィールドに受け入れられるのか・・・
そうした不安が最も大きかったのです。

このグースネックというルアー、マッディシャロー用フラットサイドとして制作しました。
と、こんな言い方をしては色々と語弊があるのですが、
そもそもマッディシャローでフラットサイドが使い難い原因は何か?と考えた時、
真っ先に浮かぶのがナチュラルなタイトウィグルアクション。
クリアディープなリザーバーならいざ知らず、
カバーだらけの濁った水ではワイドウォブルな強いバイブレーションが欲しい所。
そしてシャローで使うなら、やはりカバー回避能力に優れている事が望ましいのです。
さらに、こうしたフィールドの多くは平地にあり、強い季節風とは切っても切れない間柄。
当然、強風の中でのキャスタビリティは、「投げ続ける」為に必要な要素です。
ウチのルアーでフラットサイドと言えばロデオドライブシリーズ、
中でも、ワイドなコフィンリップのタイプCは関東~東北エリアで圧倒的なご指名を頂いてるのですが、
その薄く平たいボディが災いして、こと「風」という要素に対しては、強いとは言えませんでした・・・。
つまりグースネックに課せられた命題は、「風とカバーに強いフラットサイド」。
正にマッディシャローを攻略する為のフラットサイドクランクという物でした。
「それならラウンドを使えば?www」という声が聞こえてきそうですが、
ここで最初の「強いバイブレーション」という要素に立ち戻ります。
「強いバイブレーション」とはどんな物か・・・。
よく言われる「ハイピッチ」な物がそうなんでしょうか・・・?
僕は違うと思います。
「ハイピッチなアクション」・・・つまり非常に速い振幅の事だと思うんですが、
適当な「音」として表現すると・・・トトトトトトトトトトトト。
対して「ローピッチ」は・・・ドッドッドッドッドッドッド。
まあ、かなり適当な表現なんですがあくまでイメージです。
ちなみに低水温やハイプレッシャーに強いと言われるウチのタイプCは、
後者の「ローピッチ」のイメージで作ってる訳でして・・・
つまりスナブシリーズは(比較的)ハイピッチなタイトめなアクション。
タイプCはローピッチでワイドめなアクションと製作者は解釈しています。
ちなみにこれらのいい加減な比較は、「両者を同じスピード、トルクで引っ張った場合」に限ります。
同じ距離を進んだなら、ハイピッチの方が振幅回数が多く、ローピッチは少ないと見る事も可能です。
まあ、この手の話しは人によって解釈も違えば、引っ張る速度も違いますので、
一概にどれが正しいとは言えません。
あくまで製作者の意図としてお伝えしているに過ぎません。
また、同じ考えのビルダーさんが居たとしても、基本リトリーブ速度が違えば、
僕とは違うフィーリングのルアーを作るはずです。
さて、脱線した話しを戻しますと、
グースネックのリトリーブフィールは、タイプCのそれに似た、はっきりと振幅が大きいタイプ。
つまり、タイプCのようにローコンディションに強いタイプです。
今回のOPA!ナイトと鋼派では、たくさんのユーザーさんとお話しする事が出来、
その意図がキッチリと伝わっている事が一番嬉しかったです。
実際、自分でも2日間釣りしてみて、新利根や将監で、意図した水深で、
思った通りのソフトなフィーリングでタッチしているのを感じました。
また、皆さん釣果の方もしっかり出して下さっていたのが嬉しかったです。
これからだんだんソフトベイトが強い水温になっていきますが、
急激な水温低下や濁りで、バイトが遠のいた時なんかに投げてみてください。
タフった時にハードで獲る一発は病みつきになりますよ~!
以上、自画自賛でした(爆)。