日別アーカイブ: 2012年6月15日

効いてよかった

ルアー作りという仕事は、いつも不安と隣合せです。
なにせ言葉が通じない相手(魚)ですからね・・・
何度も何度も検証しても、決して答えが出ない仕事でもあります。
そうした意味で、今回の鋼派はいつもより緊張感で一杯でした。
まあ、自分自身の釣果もさることながら、
前回リリースした”グースネックMR”が果たして関東フィールドに受け入れられるのか・・・
そうした不安が最も大きかったのです。

このグースネックというルアー、マッディシャロー用フラットサイドとして制作しました。
と、こんな言い方をしては色々と語弊があるのですが、
そもそもマッディシャローでフラットサイドが使い難い原因は何か?と考えた時、
真っ先に浮かぶのがナチュラルなタイトウィグルアクション。
クリアディープなリザーバーならいざ知らず、
カバーだらけの濁った水ではワイドウォブルな強いバイブレーションが欲しい所。
そしてシャローで使うなら、やはりカバー回避能力に優れている事が望ましいのです。
さらに、こうしたフィールドの多くは平地にあり、強い季節風とは切っても切れない間柄。
当然、強風の中でのキャスタビリティは、「投げ続ける」為に必要な要素です。
ウチのルアーでフラットサイドと言えばロデオドライブシリーズ、
中でも、ワイドなコフィンリップのタイプCは関東~東北エリアで圧倒的なご指名を頂いてるのですが、
その薄く平たいボディが災いして、こと「風」という要素に対しては、強いとは言えませんでした・・・。
つまりグースネックに課せられた命題は、「風とカバーに強いフラットサイド」。
正にマッディシャローを攻略する為のフラットサイドクランクという物でした。
「それならラウンドを使えば?www」という声が聞こえてきそうですが、
ここで最初の「強いバイブレーション」という要素に立ち戻ります。
「強いバイブレーション」とはどんな物か・・・。
よく言われる「ハイピッチ」な物がそうなんでしょうか・・・?
僕は違うと思います。
「ハイピッチなアクション」・・・つまり非常に速い振幅の事だと思うんですが、
適当な「音」として表現すると・・・トトトトトトトトトトトト。
対して「ローピッチ」は・・・ドッドッドッドッドッドッド。
まあ、かなり適当な表現なんですがあくまでイメージです。
ちなみに低水温やハイプレッシャーに強いと言われるウチのタイプCは、
後者の「ローピッチ」のイメージで作ってる訳でして・・・
つまりスナブシリーズは(比較的)ハイピッチなタイトめなアクション。
タイプCはローピッチでワイドめなアクションと製作者は解釈しています。
ちなみにこれらのいい加減な比較は、「両者を同じスピード、トルクで引っ張った場合」に限ります。
同じ距離を進んだなら、ハイピッチの方が振幅回数が多く、ローピッチは少ないと見る事も可能です。
まあ、この手の話しは人によって解釈も違えば、引っ張る速度も違いますので、
一概にどれが正しいとは言えません。
あくまで製作者の意図としてお伝えしているに過ぎません。
また、同じ考えのビルダーさんが居たとしても、基本リトリーブ速度が違えば、
僕とは違うフィーリングのルアーを作るはずです。
さて、脱線した話しを戻しますと、
グースネックのリトリーブフィールは、タイプCのそれに似た、はっきりと振幅が大きいタイプ。
つまり、タイプCのようにローコンディションに強いタイプです。
今回のOPA!ナイトと鋼派では、たくさんのユーザーさんとお話しする事が出来、
その意図がキッチリと伝わっている事が一番嬉しかったです。
実際、自分でも2日間釣りしてみて、新利根や将監で、意図した水深で、
思った通りのソフトなフィーリングでタッチしているのを感じました。
また、皆さん釣果の方もしっかり出して下さっていたのが嬉しかったです。
これからだんだんソフトベイトが強い水温になっていきますが、
急激な水温低下や濁りで、バイトが遠のいた時なんかに投げてみてください。
タフった時にハードで獲る一発は病みつきになりますよ~!
以上、自画自賛でした(爆)。