日別アーカイブ: 2009年11月30日

我慢の釣り

先日初釣行となった旧吉野川、釣り場としてとても楽しかったのですが、
取材として考えた場合、少なくとも楽ではありませんでした。
徳島入りした夜は強い雨が降っていて、明けた朝は水温こそ12℃。
むしろクランク巻くには好条件とも言えるくらいですが、
急な水温低下と雨で澄み渡った水に白濁りと流れ藻が流入している状態、
見た瞬間に「こりゃ結構厳しいな・・・」というのが印象でした。
まずはエリアを見て回る事にしたのですが、上流部は強い流れと豊富なカバー、
夏場に良そうなスポットが軒を連ねます。
しかし、ウィードの生えたショアはボトムがハッキリ見える程澄み、
そこから一段落ちるブレイク辺りは濁りで真っ白。
巻けば毎回ルアーに流れ藻が絡んでくるストレスの溜まる状態。
とにかく広く、エリアを見て回り、全体を把握する事に努めました。
そもそも今回のテスト&ロケではあらゆるシチュエーションと対峙する必要がありました。
普通の釣りではより早く、ヒットルアーないしヒットパターンを掴み、
その中でより多く釣っていく事が大前提となるはずなのですが、
この時期のロケでは大抵、「より多くのシチュエーション」が求められる事が多く、
特に今回はその傾向が強いロケでした。
軽く見て回った結果、単に魚を求めるなら中流域の大きなベンド付近。
ここならライトリグ系を使えば、小さいながらも数は獲れそう・・・
しかし、そうした釣りは今回のスケジュールに無いし、
もとよりこの時期のライトリグは効率が悪すぎる。
というより、この状況でそこそこのサイズを出していくにはクランクベイトしかない・・・。
かくして今切川インターセクション付近でのディープクランキンでレンジを横割りしていくのですが、
普段どこへ行ってもこの手の釣りから始める事が多いので、
カメラマンは「またソレですか・・・?」的な顔・・・
というより、「じゃあ、他のルアーでも釣ってください」と言われる始末。
という事でジャークベイトやらスピナーベイトやらラバージグやら試すも、
「艦長!異常ありません!っていうかベイトが有効レンジに居ません!」
せめて濁りかベイトが味方についてくれれば・・・と嘆き節も炸裂します。
ここでカメラマンから「巻いてヨシ」のサインがなんとなく出たので、先ずは状況を整理します。
この白濁りは状況的に表層を走る特性の物。
そして魚の年間ストック量が多いのは中流域。
流れの速い上流域と水深のある中流域の境であれば、白濁りの積層がハッキリし、
魚にとっても濁りを有効活用する事が出来ると判断。
もし、やる気のある魚が捕食行動に出るなら間違いなくここであろう・・・。
アプローチとしては表層に濁りのある流れとウィードのあるシャローの境、
水深5ft程度のブレイクショルダーにあるウィードのエッジ。
ルアーはこのレンジにマッチし、強い風でも投げやすいスナブM5、
カラーはこの時期の済んだ水を想定して作ったグリーンナスティー。
ここまで状況を積み重ねると、何本かの魚を手にするのに1時間と掛かりませんでした。
手強い分だけハマった時の面白みは格別です。

まあ、結果としてスピナベやらジャークベイトやらで釣っていないので、
ロケとしては「大成功!」とは言い難いのですが、
釣り人としては非常に有意義な釣行だった訳です(笑)。
しかし、やっぱりQヨシのポテンシャルは高いです。
今度は春と夏に訪れてみたい・・・
そしていつか、アグネスホテル徳島のパスタをコンプリートしたいです。(笑)
(いや、マジで久々に超旨いパスタ食べました。)