日別アーカイブ: 2012年12月23日

もうひとつの冬の定番

タイニークランクと並んで冬場の定番と言えばフラットサイドクランク。

それも一見「大き過ぎるんでない?」と言いたくなるようなリップがついたモデルが効果的。

この写真に写っているルアー、みんな同じような形をしていますが、全て違うメーカーから出ているルアー達です。

そもそもフラットサイドクランクの特徴は、その名の通り横幅の狭い平たいボディで、ラウンドタイプに比べて浮力が少ないという点の他に、ボディが薄っぺらいので、アクション時に受ける水の抵抗が大きく変化し、後方乱流の振幅がビビットでブライトであるのが特徴です。
まあなんか難しい事言ってますが、この辺の感覚を文章で表現するのが難しいのです。アホですみませんww
要はラウンドクランクの乱流がブワワワ~ッと幅が大きくピッチが細かいのに対して、フラットサイドのそれは幅が狭い代わりにピッチが大きく、振幅が大きいのです。

さて、この手の話はすぐ脱線するのでこの辺にして、冬用フラットサイドの話に戻しますww
写真のルアー達は、先述しましたように、バランス的にどうよ?って感じの大きなリップがついてます。その為あまり高速リトリーブは得意ではないどころか、速く巻くとたちまちバランスを崩してしまいます。また、飛行姿勢も良くなく、すぐ回転してしまうので、シャローをバンバン撃っていくにはちょっとストレスです。では、なぜこんなルアーがいくつもの会社から出ていて、ひとジャンルを形成する程になっているのでしょう?それはやっぱりこのルアーが最も輝く場面があるからだと思います。


このルアーが最も得意とするのはスローリトリーブです。
それはもう、ゆっくりゆっくり、このルアーが真っ直ぐ泳ぐようにゆっくり巻いてくるのが基本です。幸いこのルアーはアクションが大きく、バタバタとド派手に泳ぎますので、ゆっくり巻くと大きな振動がロッドやリールに伝わり、それほどストレスを感じずにスローリトリーブ出来ます。ベリー~ティップがブルンブルン震えて、思わず肩こりが治まりそうなくらいです。ここまでバイブレーションがビビットなのは先述したフラットサイドボディの成せる技だと思いますが、そのアクションを生み出す大きなリップは、本来カバーに対してあまり強くないフラットサイドボディに、圧倒的なカバー回避性能を与える事に繋がっています。立木だろうがレイダウンだろうが、あらゆるオフロードを走破していく4WDの如く、カバーの中の魚目掛けて突き進んでいきます。

ハイシーズンに使うと何が良いのかさっぱりわからないこの手のルアー。
・浮力少なめ
・バイブレーション多め=超スローリトリーブ可
・カバー回避良好
となると、正にタフコンディションを制する要素満載です。
キャスタビリティの悪さも、決め撃ちカバーの近距離戦と割り切ってしまえば、大したマイナスにはなりません。むしろタイニークランクやサスペンドシャッドでは狙いきれないカバーを攻略できる数少ないルアーだと思えてきます。

ルアーはまさに適材適所。そのルアーがそこに「在る」という事は、必ず誰かの「欲求」によって生み出されたのだと思います。ならば僕達アングラーはそれを読み解いていくのがルアーフィッシングの楽しさで・・・って話はどうでもよく、「冬でも釣りたい!」ただそれだけですww