日別アーカイブ: 2010年9月3日

神に愛されたカラー

まあ神様っつっても人間です。
「神」と呼ばれるテキサスのおっさんの愛用ルアーの話しです。
そう、その「神様」はもちろんこの人リック・クランです。

まあクランク好きでこの名を知らない人は居ないだろうって程のお方ですね。
さて、そんな神様がプロデュースしたラッキークラフトRCシリーズですが、
今日本を代表するルアーと言っても良い位の認識度で、
プロ達もスポンサーに関係なく使っていて、
「持ってない人のが珍しいんじゃない?」ってくらいだそうです。
もちろん自分も大好きで非常に使用頻度の高いルアーなんですが、
カラーのラインナップが非常に素晴らしく、
アメリカで人気が高く、実績のあるカラーばかりで構成されています。
中でもよく使うのがこの3色・・・

コッパーグリーンシャッドとコッパーパーチ、そしてブリームです。
実はワタクシ、このブリームという色が大好きで、
RC1.5が出る前から、ノーマン社のリトルNやらミドルNやらでブリームを愛用しとります。

これは勝手な推測なんですが、
神様はノーマンと契約していた時代からブリームを偏愛しており、
RCの企画が持ち上がった時にリクエストしたのではないでしょうか?
神様のこうしたカラーの持ち越しは他にも見られ、
オウサムベイツ時代に途中から追加されたコッパーグリーンシリーズ
(白、チャート、黄色、ホイルの4色をベースに、それぞれグリーンとコッパースケールを乗せた物)や、
ノーマンの人気カラーでもあるコッパー/チャートは、
ノーマン→オウサムベイツ→BPS→ラッキークラフトと、
神様の軌跡の中から垣間見る事の多いカラーです。
(ホワイトシャッド(スプラッターバック)なんかもそうですね)
さてさて、話しは戻って、このブリーム。
なんでそんなに好きかと言うと、
実は昔似たようなカラーのトップウォータールアーで良く釣れたのがきっかけです。
この頃は仲間とトップばかりやっていて、
時間帯や光量によるカラーローテーションなんてのを研究していました。
まあ、アンダーウォーターより条件が厳しいですからね、
ちょっとしたカラーの違いとかで反応がまったく違ったりする経験が多かったのです。
そんな中、ある特定の条件になると、他とはまったく違う数のバイトを得られるカラーを発見しました。
そのカラーはチャートともゴールドとも違う、キラキラ光る黄色。
そして頭が真っ赤に塗られた物でした。
不思議に思い、その翌週も検証。
他の場所でも検証。
季節が変わってまた検証。
もちろん中には釣れない日もありますが、概ね安定した釣果を得られました。
そのメーカーとは個人的に付き合いもあったので、その事を報告すると、
「お前ぇよく知ってんな!その通りだよ!そうやって使う為のカラーなんだよ!」と・・・。
その条件というのは単純な物で、晴れた日の午後
陽が西に傾く午後3時頃から、薄暗くなり始めるまで。
ガスの状況次第では午前中も、太陽が昇って暫くは釣れる事がありましたが、
やはり安定しているのは午後でした。
それから月日は流れ、クランクベイトに嵌り始めた頃、
子供の頃から愛用しているノーマンのリトルNにブリームがあるのを見つけ、
「これって・・・あのカラーみたく午後に効くんでは・・・?」と購入。
結果はもちろん予想通りだったという訳です。
ここから再び怪しげな妄想モードなんですが、
自分が思うにこのカラー、午後の光を受けたブルーギルなんではないかと・・・。
仕事柄よくカメラマンさんと同船している事が多いんですが、
あるカメラマンさんと雑誌の仕事させて頂いた時に、
自分が周囲の状況を見て、ルアーのカラーを換える度にウンウンと頷くんです。
「僕、なんか変な事してます?」と聞くと、
「いえいえ、職業柄常に”色の温度”を測ってるんですが、
僕らから見て納得出来るカラーローテーションする人だな~と思って(笑)」と・・・。
いやあ、自分達釣り人はこれまでの経験則でルアーを決めているに過ぎないんですが、
やはり光を相手に仕事している人は、そんな見方をするんだな~と逆に感心しちゃいました。
でも、そういう情報は科学的根拠に乏しい自分達釣り人にとっては何よりの自信になります。
だってそもそも「ブリーム」ってこんな橙色じゃないでしょ?
きっとこれを考えたノーマンの中の人にも、色の温度とか詳しい人が居て、
水中の状況や魚の習性なんかを基にカラーを考えていったんでしょうね。
もしかしたら単純に”潜って見た”ってパターンかも知れませんがw
ちなみにアメリカのプロ達がよく、
「ここはブルーギルが多いからな」とか言って、
パンプキンカラーのワームをセレクトしているのを目にします。
かのKVDが、ブルーギルを意識してパンプキン/グリーンフレークのグラブを投げているのを見た時、
「おお!琵琶湖の長浜あたりとおんなじやん!」(長浜たいして知りません。知ったかです。)
それからパンプキンにチャートテールのチューブを使っていたプロが(誰だったか忘れました)、
「これはブルーギルをイミテートしているんだ!」とか言ってた時も感動でしたね。
だって大好きなルアーのひとつで、自分の考えと同じでしたからw
だからね、勝手に思うんですよ。
ブリームってパンプキンなんじゃないかって(爆)。
じゃないとワザワザ吹かないでしょ。
黒いラメとかw
つまり、当時最新トレンドだったパンプキンカラーを、
クランクでも塗ってしまえ!って。
それがブリームのルーツなんじゃないかと。
まあ、あくまで勝手な推測ですw
それにしても”神様リック・クラン”はやっぱり凄いですね。
ものっすごい量のデータ蓄積があるんだという事を、
RC1.5のカラーラインナップが教えてくれます。
さて、そんなブリーム好きなKTWが塗ったブリーム。

水中ではどんな風に見えるんでしょうね?
ここはもう、水中の人に検証してもらうしかないです。
「ギャザー!半魚人発進せよ!」(爆)

ロデオドライブType-C完成!


今朝方スイムチェックとチューン、フック付けを完了し、
今日全ての出荷を終えました。
Rodio Drive type-Cです。
前回のスナブS5Rよりカラーバリエーションを少なくし、
1色あたりの生産量をUPしたんですが・・・
それでも・・・・
まったく足りませんでした。
取り扱い店様からのご注文がさらに倍増だったからです。
というわけで今回もウチのwebショップでの販売分は無しです。
申し訳ありません↓
さて、今回のカラーですが・・・

ルートビア

ブリーム

ブルーグリッター

グリーンナスティー
以上4色です~。
クランク屋のクセにチャートを作らないとか、
売る気あんのかとか、色々言われそうですが、
7色とか8色とかやれたらもっと普通なカラーもやりたいんですが、
久々に復活のロデオC、しかも4色・・・となると、
ご要望頂くコアなご意見がどうしても優先されてしまう訳です。
もちろんその中には「作る本人の要望」というのが強く反映される訳でしてw、
そんな「ショップさん泣かせ」なカラーラインナップになったにも関わらず、
ビックリする程のご注文を頂いてしまった訳です。感謝感謝です。
かくしてまたもや空になったラックだけが工房に空しく残り、
何か寂しさのようなモノが胸に去来するのです・・・。
「えっと・・・俺の分は・・・?」w
さてさて、これから販売して頂くショップ様の為にも、
少し真面目に商品解説させて頂きます!
(忘れるとこだったw)←おいおい。
ロデオドライブシリーズは昨年、生産の一時中止を発表しました。
「やっぱ日本でフラットサイドは無理なんかね?」とか思ってたんですが、
すると各地から釣果報告と共に再生産をご希望される励ましとお叱りのメールがポツポツと・・・。
まあそんな「アンタも好きね」な人も居るわなとか思ってたんですがw←おいおい。
本当にあちこちで言われるようになり、
知り合いや友人からも「俺んとこにまで要望が来るんですが・・・。」と・・・。
聞く所によると、ロデオの生産中止を発表したあと、
どっかの和菓子屋さんとか、どっかのお茶屋さんとか、
ショップのスタッフさんとか、どっかのガイドさんとか、
どっかのメンターさんとか、どっかのホテルマンさんとか、
どっかの坊さんとか、魚人島の音楽家さんwとか、
ほんと色んな人が、
「ここだけの話しアレはいいよ!」とか言って釣りまくってくれてたらしく、
それを聞いて「使ってみたいけど売ってねえ!作る気あんのかゴルァ!」
と沢山に人が思ってくれたらしいのです。
そしたらねえ、作るしかないですよ。
舌の根も乾かないうちにw
でも、ロデオは自分自身、最も手を焼いたルアーで、
本当に”産みの苦しみ”を味わったルアーです。
その分、色々な事を学ばせて貰いました。
確かにB7は”きっかけ”でしたが、人生の”分岐点”はロデオだったと思います。
そういう意味でもロデオの復活を一番喜んでいるのは自分自身かも知れません。
それもあってか、今回の4色、超気合入りまくりです。
超絶人気のブルーグリッター筆頭に、手間の掛かるカラーばかりです。
パールレイヤリング、グラデーション、スプラッシュ、型吹きとあらゆるスプレーワークを使い、
全色フレーク(ラメ)とコスト度外視、完全に趣味とヲタと萌えの世界を爆走し、
もれなくカラー説明がないと売れないだろコレってラインナップです←威張るな!
いやいや、脱線しかしてないがな・・・。
ロデオの素材はレッドシダーを使用しています。
最初のプロトはバルサで作ったんです。
でも軽くて・・・というかマスが集中し過ぎて、ピッチは早くなるけど波動は小さい。
自分の場合、基本構造はシンプルにというか、細かい細工はしたくない性分でして、
バラストを別の部分に設定とかしたくなかったんで、素材をアレコレ、
桐とか色々試して行き着いたのがレッドシダーだったという訳です。
まあ、他にも同じような比重の木材とかあるんですが、
どうせ作るのも買うのもアメリカかぶれだしw、
どうせならアメリカ~ンなレッドシダーで、という事でレッドシダーを使う事にしました。
ボディデザインと共に素材の力って結構あるんですよ。
比重が軽いと浮力はあるし、見た目キビキビよく動くんですが、
よくよくみるとスローに巻くと頭ばっかり振ってて、テールは水を押せてない。
実はこういうルアーって結構あって、かなり早く巻かないと本来の効果を発揮出来ない・・・、
特にフラットサイドは形状的にその傾向が強くなるんです。
この頃色んなアメリカンハウスメイドを片っ端から投げてたんですが、
案外評判と実際は違ってたりしましたね。
ま、あくまで自分の主観ですが・・・。
で、ロデオはバルサより比重の重いレッドシダーで重心を分散させ、
しっかりと水を蹴たぐりまわし、魚が逃げ惑う時などに出す、
低い、はっきりとしたビートを発生させるべくデザインしてきました。
ロデオのアクションが生み出すアピールは、
ラトルのような非日常的で攻撃的なものではなく”自然界にある非常時”
あくまでナチュラルで食欲を刺激する存在誇示です。
今回リリースさせて頂くTYPE-Cは、
そんなロデオシリーズの”マッディカバー&スローリトリーブバージョン”
大型のコフィンリップを搭載し、スローリトリーブが主体のマディシャローやカバー周りで、
根掛からないようゆっくり巻いても大きくアクションし、
大きなリップでカバーやボトムと対話しながら巻いて来れるといったバージョンです。
リップでカバーにワザと引っ掛けてストップさせ、ペース変換をするとか、
ボトムに当たった時アクションが停止する事で加速する(水が抜ける)とか、
”噛んだり抜いたり”といった水の噛み具合をコントロールして、
ソフトベイトのような丁寧な攻めが可能になります。
このロデオシリーズの性能を完全に発揮して頂くには、
弾性率に低い、柔らかめのロッドが向いていると思います。
結構ギリなセッティングなので、ロッドの反発が強いとルアーが暴れ易くなります。
かな~り柔らかいロッドの方が限界点は高いと思います。
そういう意味ではかなり使い手を選ぶ生意気なルアーなんですが、
ウチのルアーでビッグフィッシュの報告が圧倒的に高いルアーです。
じゃじゃ馬好きのドSな貴方!
乗りこなしてみてはいかがでしょうか。
こんな感じでちょっと真面目に(?)解説なんかしてみました。
参考になれば幸いです。
という訳で本日お送りさせて頂きました取り扱い店様です!
OPA!様
ランカーズ様
テンポンド様
釣具のまつお様
バスショップナイル様
ファインルアーズ様
スーパーブッシュ上野店様
スーパーブッシュ銀座店様
マグナムケイズ様
エスカーラボートサービス様
ハニースポット様
くまがい様
沖之島商店様
ヤマト屋様
HAMA様
キーワード様
POPEYE武蔵村山店様
POPEYE小山店様
POPEYE熊本店様
POPEYE郡山店様
POPEYE長浜店様

そんなわけで、久々のロデオドライブTYPE-C、
頑張って作りました。
是非使ってみてください。
もしかしたら、こんなのとか、

こんなのとか、

こんなのが釣れちゃうかもです。