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痴虫色

先日の紫外線の話ですが、思った以上に反響がありビックリしています。
実はこの話し、以前から塊のメンバー達とはよくしていて、
特に痴虫とは、よくお互いのルアーをメバルライトで照らしては褒めあったりしてるキモイ間柄ですwww

痴虫のルアーで凄く気に入ったルアーに海馬があるのですが、
特にこの2つは「どうしても!」とお願いして分けて貰った物です。
確か痴虫と最初に紫外線の話をしたのは下段のピンクの海馬の時だったと思います。
実はこのピンク色、凄く手が込んでいて、そのレシピを聞いて「こいつやるおるな・・・」とw
蛍光色と紫外線の関係を知っていないと、そんなわざわざメンドクサイ事もしないだろうとw
真っ暗闇に小さな明かりひとつで語らう「メバライトーク」の始まりでしたねwww
オリジナルブレンドの蛍光ピンクと淡いブルーのコントラスト、
そんなアカデミックな考えを台無しにする側面の標的がパンクな一品ですw

さて、もうひとつの上段の小さい海馬なんですが・・・
よ~く見ると腹のブルースポットが青く光ってます・・・www
痴虫のルアーはパンクな見た目がどうしても目立つんですが、
実はかなりの確信犯というか、実にアカデミックな好奇心がその根底にあります。
本人はこういう事をバラすと「営業妨害や!」と怒るかも知れませんが、
「H-1」や「鋼派」、そして「たまやオープン」とこれだけ好成績が続くと、
そろそろごまかしも効かなくなってるんじゃないでしょうか・・・?
洗いざらい、そろそろしゃべれや!とwww

フェイバリット

新しいルアーや、今まで使った事がなかったルアーを買う時、
ついつい選んでしまうカラーがあります。
何処へ行っても使えるのは総じて使用頻度が高く、使用時間が結構長い。
初めて買うルアーを見極めていく時に、安心して投げられるカラー。
自分の場合、それがコレ↓です。

ルートビア
ご覧のように、様々なメーカーから発売されている超アメリカンスタンダードなんですが、
マスプロのインジェクションだけでなく、
オウサムベイツやデイビスベイツなど、多くのハウスメイド系インディーズも採用しています。
また、バンディットのようにどこでも買えるメーカーからリリースされていて、
人気のカラーでもあるので、大抵のショップで買う事が出来ます。
お陰で、旅先でロストした時など、ウォルマートで夜中でも補充可能ですw
さて、そんなルートビアですが、日本では知名度が無いらしく、
アメ物を多く扱っているお店でも、あまり目にする事が出来ません。
だから、見かけるとついつい買ってしまうのですが、
いつもハニースポットの内村くんに、
「塚本さん!またそのカラーですか!ホント好きですね~w」
とか言われちゃいます。
でもそのルートビアが引き合わせた出会いというのもあります。
それがこの人。

すっかりこのブログのレギュラーの下川くんです。
元々は昨年彼がロデオtype-Cで爆釣したのが出会ったきっかけだったのですが、
色々話すうち、彼が「ルートビア偏愛者」である事が発覚しました。
以前作ったtype-Cのルートビアを見せると、
「ええええ~~~!マジっすか!あるんすか!反則っすよそれ!」
何が反則なのかは不明でしたが、非常にテンションの高い悔しがり方をしていましたw
実は今回のロデオtype-C、結構手の込んだ色が多かったので、
塗る寸前までルートビアは辞めようかと迷っていました。
しかし、目を閉じると・・・

こんな顔の下川くんが思い浮かぶんですwww
で、
「しゃあない!やるか!」
となったわけです。
いやあ、ここまで書いてふと思いましたね。
まったくカラー解説になってないとw
先日も勇んでロデオ発表とかして、翌朝どや顔でPC開けたら、
西根師匠がロデオの長さやウェイト補足してくれてましたからねw
”人間、独りでは生きられない”とか言うじゃないですか?
自分の場合、甲斐甲斐しく世話してくれる人間が、
周りに沢山居ないと生きていけない自信がありますw
うん、まあ、そんな何自慢かわからん話はどうでもいいんですが、
このルートビアを初めて見た時、
「タカハヤみたいだな・・・」と思いました。
タカハヤというのは、いわゆる淡水にいるハヤですが、
地方とかで呼び方とか違うかも知れません・・・。
ま、(爆) そのタカハヤ、全体に白っぽいヌメッとした感じで、
背中がうっすら緑だか茶色だか微妙な、はっきりしない見た目の奴ですw
自分の場合、魚から見ればルアーはルアー。
魚を惹きつける要素さえあれば、何かのイミテートである必要はないし、
魚も「これはなんという種類の魚である」とは認識して捕食している訳ではないと信じている口です。
しかし、ヒロ内藤さんの言葉をお借りすれば、
「間違いを起こさせるのがルアーフィッシング」。
出来れば間違ってくれる要素は多い程いいと思ってもいるのです。
(勿論、時と場合によってはピンク色がベイトフィッシュに最も近いという状況もあるわけで、
必ずしも「リアルだから魚が釣れる」と思っている訳ではありません。)
ん~~~・・・なんか言い訳で脱線してますね。
とにかく、タカハヤっぽいなと。(爆)
本来写真で紹介するべきですが、写真でどうしても出なかったので、
ここからは、今回ルートビアを買って下さった方、
これから取り扱い店様で購入予定の方々限定で話しを進めます。
ウチのルートビア、背中の部分の茶色っぽい部分・・・
太陽光や強い蛍光灯で照らすとグリーンになります。
これは赤味が強いグリーンを薄く吹いているからで、
光量によって若干色味が変化するよう調色しています。
この部分、よ~く見て頂くと、若干赤みがかった反射をするのが見えます。
これは赤パールを重ねているのではなく、
上のグリーンの中にある赤味によって、白パールの中の赤味が強調されるからです。
以前、暗い水槽の中のタカハヤを観察した事があるのですが、
空気中で見るより少し緑かかった白で、動くとギラリと赤く反射します。
実は自分がルートビアを「タカハヤみたい」と感じたのは、この赤い反射で、
ルートビアの全体がボヤけた印象と、腹部の薄い蛍光オレンジが、
アクションする度にヌメヌメと赤味を発するのではないかと・・・。
そこにショルダー部分の赤味を増して、Wでヌメヌメしてしまおうとw
そう、自分の考えるイミテートとは、
陸上に上げられた魚とそっくりな外見であるかどうかよりも、
水中にあって、アクションによってそれっぽい印象を与える事の方が重要と考えるのです。
そんな訳で、ウチのルートビア。
アメリカの超スタンダードカラーを尊重しつつ(だってカッコいいもん)、
勝手な解釈を加えてアレンジしたものです。

ちなみにアメリカにタカハヤが居るかどうかとかは、まったくもって知りません(爆)。
ついでに関東に居るかどうかも知りません!
そんな時はアブラハヤだと思えばいいんです。
今年春にOPA!さんよりリリースして頂いたDVD、
「江戸物×KTW」で一番デカイのを釣ったのがロデオtype-Cのルートビアです。
アブラハヤだと信じて疑わなかった結果ですw
興味のある方でお暇な方は、是非チェックしてみてください♪

 

神に愛されたカラー

まあ神様っつっても人間です。
「神」と呼ばれるテキサスのおっさんの愛用ルアーの話しです。
そう、その「神様」はもちろんこの人リック・クランです。

まあクランク好きでこの名を知らない人は居ないだろうって程のお方ですね。
さて、そんな神様がプロデュースしたラッキークラフトRCシリーズですが、
今日本を代表するルアーと言っても良い位の認識度で、
プロ達もスポンサーに関係なく使っていて、
「持ってない人のが珍しいんじゃない?」ってくらいだそうです。
もちろん自分も大好きで非常に使用頻度の高いルアーなんですが、
カラーのラインナップが非常に素晴らしく、
アメリカで人気が高く、実績のあるカラーばかりで構成されています。
中でもよく使うのがこの3色・・・

コッパーグリーンシャッドとコッパーパーチ、そしてブリームです。
実はワタクシ、このブリームという色が大好きで、
RC1.5が出る前から、ノーマン社のリトルNやらミドルNやらでブリームを愛用しとります。

これは勝手な推測なんですが、
神様はノーマンと契約していた時代からブリームを偏愛しており、
RCの企画が持ち上がった時にリクエストしたのではないでしょうか?
神様のこうしたカラーの持ち越しは他にも見られ、
オウサムベイツ時代に途中から追加されたコッパーグリーンシリーズ
(白、チャート、黄色、ホイルの4色をベースに、それぞれグリーンとコッパースケールを乗せた物)や、
ノーマンの人気カラーでもあるコッパー/チャートは、
ノーマン→オウサムベイツ→BPS→ラッキークラフトと、
神様の軌跡の中から垣間見る事の多いカラーです。
(ホワイトシャッド(スプラッターバック)なんかもそうですね)
さてさて、話しは戻って、このブリーム。
なんでそんなに好きかと言うと、
実は昔似たようなカラーのトップウォータールアーで良く釣れたのがきっかけです。
この頃は仲間とトップばかりやっていて、
時間帯や光量によるカラーローテーションなんてのを研究していました。
まあ、アンダーウォーターより条件が厳しいですからね、
ちょっとしたカラーの違いとかで反応がまったく違ったりする経験が多かったのです。
そんな中、ある特定の条件になると、他とはまったく違う数のバイトを得られるカラーを発見しました。
そのカラーはチャートともゴールドとも違う、キラキラ光る黄色。
そして頭が真っ赤に塗られた物でした。
不思議に思い、その翌週も検証。
他の場所でも検証。
季節が変わってまた検証。
もちろん中には釣れない日もありますが、概ね安定した釣果を得られました。
そのメーカーとは個人的に付き合いもあったので、その事を報告すると、
「お前ぇよく知ってんな!その通りだよ!そうやって使う為のカラーなんだよ!」と・・・。
その条件というのは単純な物で、晴れた日の午後
陽が西に傾く午後3時頃から、薄暗くなり始めるまで。
ガスの状況次第では午前中も、太陽が昇って暫くは釣れる事がありましたが、
やはり安定しているのは午後でした。
それから月日は流れ、クランクベイトに嵌り始めた頃、
子供の頃から愛用しているノーマンのリトルNにブリームがあるのを見つけ、
「これって・・・あのカラーみたく午後に効くんでは・・・?」と購入。
結果はもちろん予想通りだったという訳です。
ここから再び怪しげな妄想モードなんですが、
自分が思うにこのカラー、午後の光を受けたブルーギルなんではないかと・・・。
仕事柄よくカメラマンさんと同船している事が多いんですが、
あるカメラマンさんと雑誌の仕事させて頂いた時に、
自分が周囲の状況を見て、ルアーのカラーを換える度にウンウンと頷くんです。
「僕、なんか変な事してます?」と聞くと、
「いえいえ、職業柄常に”色の温度”を測ってるんですが、
僕らから見て納得出来るカラーローテーションする人だな~と思って(笑)」と・・・。
いやあ、自分達釣り人はこれまでの経験則でルアーを決めているに過ぎないんですが、
やはり光を相手に仕事している人は、そんな見方をするんだな~と逆に感心しちゃいました。
でも、そういう情報は科学的根拠に乏しい自分達釣り人にとっては何よりの自信になります。
だってそもそも「ブリーム」ってこんな橙色じゃないでしょ?
きっとこれを考えたノーマンの中の人にも、色の温度とか詳しい人が居て、
水中の状況や魚の習性なんかを基にカラーを考えていったんでしょうね。
もしかしたら単純に”潜って見た”ってパターンかも知れませんがw
ちなみにアメリカのプロ達がよく、
「ここはブルーギルが多いからな」とか言って、
パンプキンカラーのワームをセレクトしているのを目にします。
かのKVDが、ブルーギルを意識してパンプキン/グリーンフレークのグラブを投げているのを見た時、
「おお!琵琶湖の長浜あたりとおんなじやん!」(長浜たいして知りません。知ったかです。)
それからパンプキンにチャートテールのチューブを使っていたプロが(誰だったか忘れました)、
「これはブルーギルをイミテートしているんだ!」とか言ってた時も感動でしたね。
だって大好きなルアーのひとつで、自分の考えと同じでしたからw
だからね、勝手に思うんですよ。
ブリームってパンプキンなんじゃないかって(爆)。
じゃないとワザワザ吹かないでしょ。
黒いラメとかw
つまり、当時最新トレンドだったパンプキンカラーを、
クランクでも塗ってしまえ!って。
それがブリームのルーツなんじゃないかと。
まあ、あくまで勝手な推測ですw
それにしても”神様リック・クラン”はやっぱり凄いですね。
ものっすごい量のデータ蓄積があるんだという事を、
RC1.5のカラーラインナップが教えてくれます。
さて、そんなブリーム好きなKTWが塗ったブリーム。

水中ではどんな風に見えるんでしょうね?
ここはもう、水中の人に検証してもらうしかないです。
「ギャザー!半魚人発進せよ!」(爆)

黄色い小魚


写真のルアーはフラットシャッド社のリトルPTです。
カラーは「ホートンスペシャル」。
エリートプロのティミー・ホートンと繋がりがあるのかどうかは不明です。
(ティミホならどっちかというとチャートリュースシャッドやシトラスシャッドのイメージが強いです)
まあ、見ての通りまっ黄色なルアーなんですが、
ところでコレ、魚にとって何に見えるんでしょうね?
実は水中というのは、人間が思っているような色にならない事が多々あります。
特に時間帯や光量によって、結構変化もします。
この黄色いカラー、鯉やフナなどの小魚によく似た光を発するそうで、
マッディウォーターやプランクトン濃度の高い暖かい時期に必須のカラーです。
このカラー、実は他にもミソがあって、角度によって違う顔を覗かせます。

ショルダー部分にパールを吹いてから染料系の蛍光グリーンでスケールを入れてあるのですが、
これがアクションの時に断続的に光ります。
どうでも良さそうな話しなんですが、ここがこのカラーのキモになっています。
ベリー部分のベース色と、バックの濃い色の間で、チラッチラッと光るパール。
以前は気づきませんでしたが、案外凝ったカラーです。
そこでこのカラーの変形とも言えるチャートリュースベースの物も色々あります。

ウチでよく塗るのは「チャートキラー」と呼ばれるパターン。
止まったグリーンスケールの下に赤系ゴールドが入りチラチラ光るカラーです。
たしかノーマンにもありますが、WECも採用しています。
こういった一つのカラーの中にいくつかのギミックが隠れたカラーは好きです。
ちなみにロデオでホートンを塗るとこんな感じです。

しかし日本では人気ないです。
というか黄色ベースのルアー自体殆ど見かけません。
それに引き換えトップの世界はカラーの研究よくしてるな~と感心します。
昨年11月と今年2月にルイジアナ州のレッドリバーに行きましたが、
そこで出会った超ロコのおっさん達は、みんな気の良い連中で、 
子供の頃からのレッドリバーでの経験談を色々と話してくれました。
そんなおっさん達が「これは釣れるゾ!」と持っていったのは、

こんな奴とか、

こんな奴でした。
レッドリバーはその名の通り、茶色に濁った浅い河です。

霞水系や八郎潟を彷彿させるシャローの釣りは、クランク好きには堪らない経験でした。
でも、そこのロコ達が選んだカラーが予想通りだったのが面白かったです。

ザリガニ何色?

今年もオールスタークラシックの「塊」ブースに出展する為、
ここの所毎日工房に篭っているので、これといってネタもなく今日もカラーの話しです。
突然ですが、ザリガニが魚から見て何色に見えるか知ってます?
自分は魚になった事がないので判りませんが(笑)、
専門家によると「緑色」なんだそうです・・・。
ワカメ食べ過ぎたとか、そういうんじゃなくて、
根本的に人間とは目の構造(色素とか)が違うので、
同じ物を見ても、同じようには見えないんだそうです。
まあ、人間から見ればシマウマが迷彩には見えない訳で、
なんか、そういうモンらしいです。
この話しとは関係あるような無いような話しなんですが、
このカラー知ってます?

ノーマンの「ファントムグリーン」ってカラーなんですが、
ルアー作りを始めた頃、某エリートプロからの電話の中で、
「ノーマンのさ、ファントムグリーンって知ってる?」
「知ってるよ。つーか持ってるよ。 よく釣れるよね~アレ。」
「あの色でさ、例のクランク作れないかな?」
「それにはまず、バルサを透明にする方法を考えてくれ。」
「あ、そっか。そういう事か・・・。何とかなんないかな?」
「なんとかって?」
「同じじゃなくていいんだよ。似たような効果が出ればいいと思うんだ。」
で、色々やってみる事になりました。
まずこのカラーは水中で周りの光を受けて、こんな感じで光ります。

まあ、光が屈折したり、ボディ内部の空間で反射したりする訳です。
泡(空気の塊)が白く光るのと同じようなモンですね。
巧く説明出来ません(工房にずっと篭っていると言語野が著しく低下してしまうので)が、白のような発色性のある下地色ではなく、かといってクロームのようなレベルの出た反射でもない、ヌメッとした光り方をするベースカラーに染料系のオリーブグリーンがキモだと思われました。
で、完成したのがこのカラー。

「スナブノーズM5 グリーンナスティ」
当初は「メタリックウォーターメロン」なる長ったらしい名前を付けてましたが、
気がつくとアメリカでは「グリーンナスティ(汚れた緑)」という名前で呼ばれていました。
まあ、こういうネーミングセンスは無いに等しいので、成すがまま、胡瓜がパパになってます。
見ての通り地味目なカラーですので、これから水温が下がりプランクトン濃度が落ちてクリアになったシャローで効果的だと思います。
これでまた取り扱い店様に叱られる訳です。
「補足説明の要るカラーばっか作ってんじゃねえ!」