既にあちこちのサイトで騒がれているのでご存知かと思いますが・・・。
「滋賀県は、琵琶湖・南湖を巡回して外来魚の産卵場を発見し、
卵が産み付けられた産卵床を壊す事業に新年度着手する。」
「調査事業として、新年度当初予算案に約900万円を盛り込んだ。
効果が出れば北湖でも実施を検討する。」
とのニュースが報じられました。
数年前、害魚問題で大騒ぎになった時、
「子供の頃、ブラックバスなんか居なくて、小魚が沢山泳いでいた・・・
そんな日本古来の自然の姿を子供達に残したい。」
そんな事をカメラに語る人をよく覚えています。
そりゃ立派な事だなと。
科学技術の発展と、産業に支えられた社会を捨てて、
自然溢れる暮らしに回帰していこう!
その為の第一歩として、その諸悪の根源たるブラックバスを駆除してみようと。
まあ自分が子供の頃は、今の何倍も河川が汚く、
汚水やゴミが垂れ流しの河川がたくさんありました。
とても今の子供達に残したいと思えるような環境ではなかったと思います。
でもね、それでも魚はいっぱい居たんですよ。
護岸の整備もされてなくて、小さな三日月湖や自然のままの岸辺には、
小魚やら小動物、爬虫類や両生類がいっぱい居ました。
日本古来の物も居れば、アメリカザリガニやウシガエル、鯉や雷魚といった外来魚、
それこそ生物に溢れていました。
「人間の言う自然とは、人間の好きな自然でしかない」という言葉がありますが、
普段自然と接しない普通の人が「美しい」と思う自然は、
案外人間によって改造、管理された、
人間にとって都合の良い自然である事が多いのではないでしょうか。
本当の自然の姿って、人間にとって結構不快な物が多いと思うんですよ。
蚊や蚋はまとわりつく、漆は被れる、茅は手足を傷つけ、地面は酸化鉄でまっかっか。
子供の頃は、そんな湿地へ遊びに行って、学校でよく怒られたものです。
琵琶湖も昔はそんな湿地が広がっていたと聞きます。
きっとモロコなどの小魚達のコロニーになっていたんでしょうね。
自分の親類には土木事務所に長年勤めた人間が何人か居ますが、
自然の話しになると決まって言う事があります。
「ちゃんと漁礁を入れて魚達を守っていた」と・・・。
その漁礁にどんな魚がどの位の規模で入っていて、
どんな風に産卵していたのかと聞くと、答えられる人は居ませんでした。
「魚の事は詳しくないから・・・」
いやホント国の事業って立派なモンだなと・・・。
現代社会で暮らす人が美しいと感じる自然。
渓流ぶっ潰してそれっぽく作った憩いの場とか、
ウォーターフロントの商業施設とか、
そういう人間のエゴによって歪に改造された自然。
人間が快適に触れ合える自然。
それらがたくさんの生き物達の犠牲の上に立っている事を考えて欲しいと思います。
っていうかこれだけ多額の税金使って、
大々的に事業を行わなければならない程誰か困ってるんですかね?
滋賀県だって生活に困ってる人、業績の伸びない事業主とか居ると思うんですよね。
そういう人達に何もしないで、一部の人達の為だけに県が事業を行うのってどうなんでしょ?
ガススタンドもコンビニも以前より儲からなくなったって聞きますが、
県に頼めばその根源を駆除して貰えるんじゃないでしょうか。
税金払ってるんだから、言いたい事は言った方がいいですよ。