グラファイトロッドの父を訪ねて6

4日目の朝、オレゴンの雄大な地平線から昇る朝日を、車の中から眺めていました。

今日はロジスティックのスティーブと釣りです。

このスティーブという人が非常に面白い好人物で、低いトーンで単語をひとつひとつ区切りながら、ゆっくりとしゃべります。
イギリス人みたいな大きな鼻と丸メガネ姿もコミカルさに拍車を掛け、なんだかコメディ映画の牧師みたいな感じです。
なんだか教会で牧師様のお説教を聞いているような眠気を誘うのですが、頑張って起きていました。
電話の出方がまた面白くて、「This is Steve speaking. May i help you?(もしもしスティーブだが、何かお困りかな?)」とくる。
普通知り合いの電話にそんな言い回しで出るでしょうかwww
品があって、ジェントルマンで、でもどこかズレてて・・・そんなスティーブをすぐに大好きになってしまいました。

途中、なんとスティーブが昔、日本のTVドラマ「オレゴンから愛」を観た事があると言い出した時は驚きました。
まあ何せ、こちらも今回来るまでオレゴン州に対する予備知識は「オレゴンから愛」のみでしたから、なんというタイムリーな話題だろうとwww
そこからスティーブの話は昔、戦時中に迫害を受けた日系アメリカ人の話になり、自分と同世代の日系人がどれだけ苦労したかというような話をしてくれたのですが、まあ難しい話なので”なんとなくそんな感じの話”という事しか解りませんでした。
まあでも、この辺りで収容所というと、オレゴンとカルフォルニアに州境あたりにツールレイクとかいうのがあったと記憶してましたので、なんとなくその辺りの話だったのかもしれないです。
ちなみにオレゴン州ポートランドは、戦後かなり早い段階で北海道と姉妹都市になったりと、ワシントン、カルフォルニアと並んで日本との交流が深い土地柄だったと記憶してます。

まあ、そんなこんなで車は4時間程走りw、途中キャベラスで合流したカイルと共にMcKenzie River(マッケンジーリバー)に到着しました。
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今日はカイルの操船するこのドリフトボートに乗って、レインボートラウトをフライフィッシングで狙います。
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ドリフトボートは動力が一切ついてなく、オールのみで激流の中をコントロールするアルミ製のボートです。
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カイルはこのドリフトボートを使ったガイドであり、優れたアングラーでもあります。
実はNorth Fork Composites社はこのドリフトボートのオールの製作も行っており、カイルはこのオールとフィッシングロッド両方のプロスタッフでもあるのです。

フライフィッシングで狙う位なので、結構のんびりどんぶらこの旅を想像してたのですが、カイルの「座れ!」の号令と共に激流に突入し、少しでも水が巻く所を見つけると「投げろ投げろ~!」と、海兵隊にでも入隊したような忙しさです。
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しかし魚影は濃く、元気でヒレピンの美しいレインボー達が遊んでくれます。
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流れの中どんぶらこ状態なので、かっこよくホールド出来ませんがwww

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生粋のフライフィッシャーであるスティーブおじさんも、表情は読み取り難いですがご満悦のようで、歌の一曲も出て来そうな感じです。

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しかし、今回のメンバーの中で、最も美しいループを描いていたのがブルーピークス堀口さん。
年季の入ったスティーブよりも綺麗な、惚れ惚れするようなフォルスキャストでドライフライを操ってました。
なんかジェントルマン度で完全に負けている・・・こりゃ帰ったら特訓しかない!と決意しましたw

ところで、この川の畔には雰囲気のある住宅や別荘が立ち並んでいるのですが、
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なんかやたらと水辺に近いです。
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ここんとこ、ゲリラ豪雨の被害で大変な日本の感覚だと、思わず大丈夫?って聞きたくなるような建築です。
こんな立派な別荘(?)が、アウトサイドベンドにある・・・水害で倒壊するイメージしか湧かないんですが・・・。
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聞けばこの辺り、気候はとても安定していて、台風やトルネードとは無縁なんだとか・・・。
それなら危険はなさそうです。
まったく羨ましい・・・。

結局、何度もオマツリしてスティーブや堀口さんのティペット(リーダー)をグチャグチャにして迷惑かけまくった訳ですが、釣果の方は5~6本釣れて大満足でした。いいの4本くらいバラしましたがいいんです。とっても楽しかったので。

マッケンジーリバーのドリフトボートフィッシング、予想を遥かに上回る楽しさでした。
というか僕には勿体ない最高に贅沢な時間を過ごさせて貰ったと思います。
なんだかまだまだ足りない!そんな気持ちからか、岸に上がってからも暫くロッドを振ってましたwww

帰りもスティーブの長~い話を聞きながら、たっぷり4時間オレゴンの雄大な景色を楽しみましたww
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