月別アーカイブ: 2013年9月

グラファイトロッドの父を訪ねて2

North Fork Composites社の工場部門のひとつであり、同社の心臓部とも言えるのがブランク製造部門です。
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当然その内部は「社外秘」であり、写真等の撮影も厳しく制限されます。
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中を案内してくれたのはロジスティックと管理を担当するスティーブ。
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HMシリーズに使用するマテリアル、PCS( Paper Carbon Scrim:ペーパー・カーボン・スクリム)について、判りやすく説明してくれます。
当然、工場内部は一定の湿度、温度に管理され、ブランクの均一な仕上がりは勿論、材料のベストな保存維持に貢献しています。

この工場内ではこれらカーボンシートのカッティングからマンドレル(芯金)への巻き付け、焼き入れ、脱芯、仕上げまでを行います。
各モデル毎に細かく指示されたレシピに従いパターンカッティングされたシートと、それを巻き付ける為の独特な形状のマンドレル。
さらにそれらを均等に圧着していく為に、ゲイリーが考案した特殊な構造をしたローリングマシーンなど、本当にたくさんのアイディアと経験が詰まっていて、ただただ感動してしまいました。

その中で少しだけご紹介したいのが、この超ロングなマンドレル。
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10ft、約3mを軽く超えるマンドレル達が林のようにそびえ立ちます。
10ftの1ピースロッドなんて日本ではまず考えられないのですが、この辺りで盛んなサーモンやスティールヘッドフィッシングにはこうした道具が必要なのだそうです。
当然、焼き釜も脱芯の治具も、これが入る超ロングサイズww

膨大な知識と経験値、意識の高い職人技によって作り出されていくブランクに、無機質なカーボンとは思えない温かみのような物を感じた1日目でした。

グラファイトロッドの父を訪ねて。

最近このブログではmibroやKTWLURESのルアー製作などについて書いており、あまり個人的な事は書かないようにしているのですが、今回アメリカ、ワシントン州及びオレゴン州にて、とても貴重な体験をしてきましたので、数回に分けてお伝え出来たらと思います。

今回訪れたのはオレゴン州ポートランド国際空港より車で北上したワシントン州のウッドランドという町のNorth Fork Riverの畔にある「North Fork Conposites」。現役復帰を果たした生ける伝説ゲイリー・ルーミスの経営するロッドブランクメイカーにお邪魔してきました。
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North Fork Compositesがあるウッドランドは緑豊かな美しい街で、沢山のサーモンが遡上してくるNorth Fork Riverをはじめ雄大な自然な囲まれた、まるでファーム(農場)のような所にあります。
広大な土地の中にポツンと立つ電柱のてっぺんにはオスプレイ(ミサゴ)のネスト。
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周囲には馬が飼われていたりと、会社そのものがかなりアウトドアな環境にあったりします。
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この馬がまた、人懐っこくてかわいいのですが、名前を忘れましたwww

こんな道を暫く進むと会社の社屋が見えてきます。
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こちらは事務所なのですが、都会的なビルでもオシャレな建物でもなく、ただの民家のような作り。
でも中には間違いなくこの方が居るのです。
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世界中のアングラーからリスペクトを集め、「カーボンロッドの父」と言われ、末期癌宣告から奇跡の現役復帰を遂げたゲイリー・ルーミス、その人が温かく迎えてくれるのです。

ゲイリーの事務所の中は、プロトタイプや図面で乱雑埋もれたゲイリーの社長室やマネージャーのジョンのオフィスの他、ミーティングなどを行う大きなテーブルや、来客と釣り談義をする為のソファとリビング、お酒の代わりにロッドが林のように整列するバーカウンターなどがあり、とてもリラックス出来る空間なのです。

この敷地内にはブランク工場やビルディング工場、ゲイリーの自宅の他にゲストをもてなす「ルーミス・ロッジ」などがあります。
僕ら日本人の感覚だと、製造からロジスティックまであらゆる部分において、もっと都会に社屋を構えた方が良いように思えるのですが、ゲイリーにとってはこの自然の中に身を置いたような環境こそが、「釣り道具」という自然相手の物作りにおいて最もクリエイティブな環境だと感じているのでしょう。
理屈だとかビジネスだとかどうでもよく、訪れた友人(釣り人)達とわくわくを共有する。それこそがとても大事な事なのだと教えられているような気がするのです。

残り僅か。

大変ご好評頂いておりますBulletHead-DD
お買い上げ頂いたお客様の為に、製作者として各カラーの使用方法と言いますか、狙ったシチュエーションなどをご紹介します。
釣行の際に、少しでもご参考になればと思います。

初回リリースという事もあり、あまり趣味に走らず実用性を重視したからカラーラインナップとなっております。
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・ギラギラしたベイトフィッシュライクな「ブルーバックヘリング」は、ハスなどのベイトフィッシュを追い回してる時のマッチ・ザ・ベイトの他、日照量の多い晴天無風時に、太陽光を乱反射してリアクションバイトを誘うのに有効です。

・「スプラッターバック」はパールベースのブラックバック。マディウォーターをはじめ、あらゆるシーンで安定した釣果を約束してくれる不動の1番。年間通じて最も使用頻度の高いカラーです。自分的にも状況の解らない朝イチなど、とりあえず投げてみるフェイバリットカラーなのです。

・マッディウォーターのイメージの強い「マットタイガー」ですが、実はウィード等の多い”緑っぽい水”でも効果が高いカラーです。また、クリアウォーターのローライトなど、使えるシーンは案外多く、ハマった時の爆発力はピカイチです。

・午後から番長「シャインブリーム」は、太陽が西に傾く午後から夕方や、タンニン系の水が溜まった山上湖など得意のフィールドとします。午後の黄色い光を写すベイトフィッシュ、そんなイメージで使って欲しいカラーです。

・クリアに透けるソフトベイトのような「ファントムグリーン」、クリアウォーターxシャローx無風。そんなスプーキーな状況ではハードベイトは投げ難い物です。まるでワームようにローインパクトでありながら、ハードベイトとしてしっかりアピールするファントムグリーンは、水温の落ち始めた河川や、ダム湖のバックウォーターなどで効果的なカラーです。

まあ、製作者的にはこんな感じなんですが、もちろんこれが絶対という訳ではなく、「いいや、俺はあえてこういうイメージで使う!」というのは大歓迎です。

ちなみに今現在、お陰様で初回ロットの在庫は殆ど無くなってしまいました。
一部の取扱店舗様からも「初日に完売」との嬉しいご報告と追加のご注文も頂きましたが、カラーによっては既に完売となってしまっております。
ほぼ店頭在庫のみとなっておりますので、よろしくお願い致します。

お待たせしました!

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大変お待たせしました。

mibro BULLETHEAD DDようやくリリースです。

このルアーの開発コンセプトや特長は、

固定重心のサイレント仕様でありながら、重心移動顔負けのキャスタビリティ。

強く明確なバイブレーションと、相反する軽い巻き心地。

大型リップによる安定した泳ぎと、高いカバー回避能力などなど、

ミッドレンジにおける小型クランクベイトの釣りを、

ノンストレスでリズミカルに続けていく為の性能を追求して参りました事をお伝えしてきました。

しかし今回は、さらなる拘りポイントをご紹介したいと思います。
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ディープタイプのリップを持つクランクベイトの多くは、タイイングアイの周りがエグレている事にお気付きかと思います。

これは、アクションの出だしを良くする為に、タイイングアイをリップ表面になるべく近づけたいという意図と、

それによってアイが狭くなって、スプリットリングの自由度が損なわれるのを防ぐ為の措置です。

ただ、それによって抉りの中にすっぽりと収まってしまったスプリットリングに、

ラインやスナップを通すのって意外と面倒クサイと思った事はありませんか?

BULLETHEAD DDでは、このタイイングアイ周辺の抉りを最小限にして、スプリットリングが収まりきらないようにしています。
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それによって、スプリットリングは常にリップから少しだけ浮き上がり、

スナップやラインを通し易く、ルアー交換をイージーにしています。

また、スプリットリングを外して、直接スナップで連結するアングラーの場合にも、

アイが抉りの中に埋まらず、リップ表面より露出している為、大きなサイズのスナップでも楽々通す事が出来ます。
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また、今回からボディの材質も新しい樹脂を使用しています。

リップの部分を見て頂くと解ると思うのですが、通常の樹脂が少し黄色がかっているのに対し、

BULLETHEAD DDのリップは青みがかっています。
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透明性という部分では少し落ちるのですが、耐衝撃、耐摩耗性と、

これまでの樹脂より非常に強度がある樹脂を使っています。

どれも釣果を直接左右する部分では無いのですが、こういう細かい部分って釣りをする上で意外に重要だったりします。

つまり魚にではなく、アングラー側にとって重要な要素とも言えます。

BULLETHEAD DDは出荷作業を終え、早ければ明日には店頭に並ぶと思います。

これからハードベイトへの反応がどんどん良くなってきますので、

是非、お手に取って試して頂ければ、

mibroが小型ミッドクランクにかける拘りを感じ取って頂けると思います。

mibro BULLETHEAD DD

Length 55mm

Weight 12.6g

Dives to 6ft~7ft

        ¥1,890(税込)

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このパッケージを見掛けたら、是非チェックしてみてください。