日別アーカイブ: 2009年9月19日

FRPリップ


ウチ(KTW)のクランクベイトに装着されているのは全てFRP製のリップです。
FRPというのはガラス繊維をエポキシ樹脂で固めた物で、俗にいう「基盤リップ」とか「サーキットボード」とかいう物と同じ物です。
まあどんな名称が正しいかはどうでも良いのですが、ウチがこれを使ってルアーを作るのは実に単純な理由です。

写真のルアーはフラットシャッド社のリトルPTというルアーで、随分前に友人からお土産に貰った物です。後に大ブレイクした頃の物に比べると、タイイングアイの太さやボディシェイプ等で若干の差異が見られますので、結構初期の頃の物かも知れません。
このルアーを使って凄く驚いたというか、感心した事があります。アクションのキレ云々もあったかも知れませんが、そんな事はどうでもよくなるくらい「丈夫なリップ」という事でした(笑)。
その頃クランキンをしていて一番の悩みと言えばリップの破損でした。
鬱蒼と茂る竹林やレイダウンに投げ続けるカバークランキン。ちょっとしたキャストミスや、それを外した時。また、小さな魚をボート際でオートリリース(?)する際、船体に当たってリップが真っ二つになってしまうのです。
普段ボートからの釣りがメインなので、年間でルアーをロストする事は殆どありません。しかし、破損によって引退していくルアーは結構な数でした。
しかしこのリトルPT、ボディが凹んだり、色が剥げたりと普通通りに酷使しているにも関わらず、リップの破損がまったくありませんでした。カバーからすっ飛んできて船体にぶつかっても、付け根のペイントが少し飛んだだけでまったくの無事。この程度なら瞬間接着剤を流し込めば普通に使えます。
「う~~~ん、こりゃいい!」と一人感心したのでした。
FRPリップはポリカーボネイトに比べて弾性があり、衝撃に強い特性があるのは今更語るまでもありません。もちろんその恩恵により、極限までリップを薄くする事が出来、キレのあるアクションを生み出すと言われている訳ですが、ウチの場合は「衝撃緩和」「破損防止」という部分が最も比重を占めています。
なぜなら・・・基本ルアーはボディで泳ぐ物。どんな優れたリップも駄目なボディじゃ泳ぎませんし、良いボディデザインが降りてきたなら0.8mmFRPも2mmポリカも関係なく泳ぐと思っているからです。
少なくともウチで試した結果はそうでした。
また、サーキットボードをウリにしていてもビーツァやKottaより泳がないルアーもあります。(キッパリ)
まあ、泳ぎに関してはそれぞれ主観が違うと思うのですが、「動く」と「泳ぐ」は別物だと思うのです。
とまあ、いきなり自分とこの採用したパーツのウリを否定してる訳ですが、実際FRPリップは魔法の万能リップという訳ではありません。ハードマテリアルのカバーやボトムでゴリゴリやれば削れるというウィークポイントも持っています。要は適材適所。環境や状況、攻め方巻き方当て方でFRPとポリカを使い分けて頂ければと思います。