日別アーカイブ: 2009年9月12日

B7


写真は最初期の頃のハンドメイドクランクです。
まあ、右も左も判らず、足の靭帯伸ばして暇だったから・・・
という理由で作り始めたのがきっかけです。
しかしこれが海を渡り、自分のライフスタイルを大きく変えてしまうとは・・・。
この頃は一部の友人達に向けて作っていた物で、
工具とか大変だろうから・・・という言わばお情けでお金を払ってくれていた、
という感じでしかありませんでした。
この頃は2つのブランクを張り合わせる、いわゆる2pcボディ。
T型に曲げた針金を挟み込むやり方で作っていました。
しかし、強度的に強いと思われたこの方式に問題が!
ミスキャスト等で飛行中ベリーフックに障害物が接触すると、
フックハンガーが曲がってボディを裂いてしまう事が判りました。
また、アメリカのショップからチラホラ注文が入り始め、
製作時間と強度を両立させた量産方法で頭がいっぱいでした。

そして出来たのがこのモデル。
コッピングという方法で量産した1pcボディに、ウェイトやハンガーを後付けする方法です。
B7」という名前もこの頃に名付けました。
このルアーは「釣りロマン」の撮影でアラバマに行った際に使ったモデルで、
実際にスポッテッドバスを釣った思い出のルアーです。
それもあってか、国内でも通信販売や、取り扱い店を申し出て下さるショップさんが増えてきました。
しかし、その分、色々な人に使って頂く訳ですから、
「ウィード外すのに水面叩いたらバラバラになりましたわ~!」なんて声も頂くようになりました。
で、さらに強度アップとアクションの見直しを図ったのがコチラ。

それまで使っていたセルロース樹脂による下地塗装から、
耐衝撃性に優れる特殊な樹脂によってボディをコートする方法。
アクションもよりワイドな方向へ振ったB7gen2
多分大多数の皆さんが知っているB7がこれだと思います。
B7は元々ラウンドとフラットサイドの中間的なベイトとして作りました。
(形状ではなく、用途という意味です)
ある程度長い距離を引っ張ってきて、
カバーも何もない所でバイトに持ち込む力があるクランクベイトです。
なぜなら単にカバー回避に長けたバルサクランクなら、
B2を始め良いクランクがたくさんあったからです。
単なる模倣ならわざわざ作る必要がないし、
無いから欲しいという気持ちがルアー作りの原点だと思うからです。
しかし、ルアーを作り始めてから判ってきた事も多々あります。
ロデオやスナブをリリースし、よりB7の立ち位置が自由になったというのもあります。
もう一度原点に戻って、よりリトリーブパワーのあるクランクベイトが作りたい。
ユーザーからの要望を形にするのではなく、
自分自身の自由意志で向かうべき所へ向かいたい。
そんな気持ちが湧き上がってくるのを感じました。

B7 gen3
広域サーチ能力と低周波の振動を発するクランクベイト。
ハイピッチでも高浮力でもありません。
およそ現在の「良いクランクベイトの定義」に属さないルアーです。
でも、これがB7の向かうべき所でした。
タフったシャローフラットから魚を絞り出す為に必要な要素。
荒れたショアラインで爆発力を生み、回遊性の強い魚を足止めする力。

スナブノーズやロデオドライブ、漁師クランクの経験がこうさせた気がします。

(gen2とgen3のテール部シェイプ比較。ここに大きな意味があります。もちろんテールハンガーがヒートンに変わっているのも単なる強度UPとかではありません)
今後もB7はただ純粋に魚を惹きつけるルアーとして、変わり続けると思います。
いわば僕のクランキンにおける写し鏡として、
新しい何かを見つける度に、B7に盛り込んでいくつもりです。
そして現在もまた、B7は新しくなっています。
その第一弾は先行発売として、先日アラバマに向けて飛び立ちました。
国内でもこの秋リリースする予定で現在作業中です。
ちょっとだけ言うと、
gen2の使いやすさと、gen3のパワーを融合させました。
「最近B7投げてないな~」という方に是非、使ってみて頂きたいです。

ブログ始めました。


「冷麺始めました!」的な月並みなタイトルで書き始めてみました。
ルアービルダーとしての日常、メーカーの契約アングラーとしての日常など、
思いついた事をつらつらとつづっていきたいと思います。
どうぞよろしく。