Nomadシリーズ発表以来、多くのお問合せを頂いておりましたグラスロッドが遂に完成となりました。
モデル名はC-66MG。
その名が示す通り6’6”レングスのミディアムパワー、ファイバーグラスロッドになります。
グリップなどのインターフェイスや全体のデザインはこれまでのNomadロッドと変わらず、EVAセパレートグリップ、マットブラックのブランクスとなります。
このロッドのカテゴリーはもちろんクランキンロッドなのですが、「クランクベイト専用」という意味ではなく、クランク=巻くという意味から来る巻き物マルチパーパスという意味でのクランキンロッドです。
なのでクランクベイト以外にもチャターやスピナベ、バズやウェイクベイトなど、あらゆる巻き物を幅広く使う為に様々なテストを行ってきました。
使用している素材はUDファイバーのEグラス。
UDファイバーは縦繊維のみで構成されたガラス繊維、Eグラスは数種類あるガラス繊維の中で、釣り竿に使われる中では一番弾性率の低いシートになります。
Eグラスの弾性率は8t相当と非常に低弾性で、カーボンと比較すると一般的なバスロッドに使われるPAN系で18t、特殊な用途で使われるピッチ系カーボン素材でも15tと、カーボン素材に比べると非常に低弾性で、全く違う弾性率のロッドを作れるのが特徴です。
近年ではグラスとカーボンのコンポジット素材というのも広く使われていますが、今回のG-66MGでは様々なテストの後、カーボン素材を一切廃し、UDEのみの素材でブランクを形成する事に決めました。(もちろんマンドレルからの完全オリジナルブランクです)
コンポジット素材はグラスロッドの断面強度をアップしたり、バット部分の強化をするのにとても有効なのですが、その分反発力が増えるのでロッドが硬くなり、ピンスポットに軽いルアーを投げ難かったり、どうしてもファーストテーパー化しやすいので投げるルアーのサイズ毎に複数の強さ別ラインナップを作らなくてはならなかったりと、意外とデメリットも多い素材でもあります。
なのでNomadシリーズでは広いエリアのワイドサーチや、グラス(藻)を切っていくような反発力が必要な釣りには通常のNomadシリーズを使う事を前提にして、グラスロッドはグラスロッドらしいアクションを追及しつつ、最新素材の性能や生産技術の向上を生かしてピュアグラスでありながら軽量で使い易い巻き物ロッドを作る事にしました。
ガラス繊維の低弾性というのは近距離戦が多いカバー周りの釣りでとてもメリットがあります。
それはガラス繊維の反発力が弱いという事は、パワー表記の高い竿でもバイトを弾かず乗せてしまうという事です。
高反発の竿で小さなバイトやルアーをコントロールしようとすれば、よりライトなパワー表記の竿を選ばなくてはならなくなります。しかし、それだと大きな魚がカバー周りで掛かった際に強引なやりとりが出来ません。
低弾性のグラスロッドは高反発ロッドよりワンランク上のパワー表記でも、込み入ったカバーに軽いルアーをキャスト出来、近距離でのバイトを乗せて、ファイトをいなしてキャッチ率を上げてくれます。
本来なら重くダルいイメージのあるEグラスですが、6’6″ミディアムパワーで重量135gでビルドする事を目標として開発を進めて来ました。
また、グラスロッドの中では比較的細身のブランクに仕上げていますので、強風下でも空気抵抗を受け難く、スイングの度に耳障りな風切り音や手首への負担を軽減するようデザインしています。
3/8ozクラスから3/4ozクラスまでを軽快に使え、近距離であれば1ozクラスの大型ルアーであってもコントロール出来るトルクを持った巻き物マルチパーパスグラスロッドC-66MG。
シャローからミディアムダイバーのクランクベイト、チャターベイト、スピナーベイトにバズベイト、そしてウェイクベイトなど、中近距離でカバー周りを1日巻き倒しても疲れにくいバランスに仕上がっていると思います。
6月後半頃の発売となる予定です。
この釣行の中でも漁師クランクやバレットヘッドDDに使用しています。
是非チェックしてみてください。