月別アーカイブ: 2014年3月

UTR続きの続き。

ソフトベイトロッドとしてのUTRは、

・ベイトネコやドロップショットなど、テクニカルなラインスラックコントロールを得意とする68M。

・軽量なシンカーでも投げやすく、フォール中でもアタリを取り易い、ライトテキサス等が得意な68MH。

・カバー周りに浮き気味についている時、高比重ノーシンカーなどのスキッピングアプローチが抜群の68H。

上記以外にも、アングラーのその場の思いつきで、様々なアプローチに即応する懐の深さを有しています。

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ジグロッドとしても、チャターベイトやスイミングジグなどの他に、ダム湖の中層をフットボールジグで横方向に泳がせるような釣りも得意とします。硬すぎるロッドではバラシの多いこの釣りですが、ロッド全体が綺麗に曲がるプログレッシブテーパーが、自然に魚を浮かせ、バラしを軽減させます。

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このUTRシリーズ、クランキンに特化したTCRとは違うスタンスでデザインしたシリーズの為、パワー表記の基準が異なります。

同じMパワーでもTCR610MとUTR68Mでは、UTRの方が少しスティッフです。これはTCRがファイバーグラスに匹敵するノリの良さを追求する上で、徹底的に反発力を落とした為で、TCRとUTRのコンセプトがそれだけ違う事を意味します。

パワー表記の話で、もうひとつ注意点があります。

UTRのパワー表記はアメリカのそれに順じているので、日本の一般的なバスロッドに比べて少し柔らかいです。

Hでだいたい日本のMH位、MHはMHとMの中間くらいのパワーを想定して頂けると幸いです。

これはより細かいパワー区分けを推奨しているゲイリー・ルーミスのコンセプトに順ずるもので、アメリカ市場のパワー表記に近くなっている為です。

よくアメリカ製ロッドを買って、「思ったよりパワーがない」とか「イメージと全然違った」といった理由ですぐに手放してしまう人も多いかと思いますが、実はこういう事が原因だったりします。

アメリカ人は日本人が思ってるより柔らかいロッドを好む傾向があるので、アメリカンロッドを買う時は、1パワー位強いロッドを買った方がイメージに近いと思います。

そんな訳で、日本とアメリカのハーフであるJ-Custom2.0はアメリカンパワー表記なのです。

もちろん日本で言うHパワーやXHパワーのロッドもテスト中ですよ~。

UTRのスペックは下記の通りです。

UTR68M(ユーティリティ68M)

Power : Medium Length : 6ft. 8in. Line : 8 – 20 lb. Lure Weight : 1/4 – 5/8 oz.

UTR68MH(ユーティリティ68MH)

Power : Medium Heavy Length : 6ft. 8in. Line : 12 – 25 lb. Lure Weight : 1/4 – 3/4 oz.

UTR68H(ユーティリティ68H)

Power :Heavy Length : 6ft. 8in. Line : 12 – 25 lb. Lure Weight : 1/4 – 1 oz.

しかし、これだとあまりイメージは伝わりません。

そこで各モデル毎ではなく、それぞれの釣りのスタイルやルアーのジャンル毎に、どのモデルがどう適応していくのかを紹介してみたいと思います。

 

スピナーベイトロッドとしてのUTRはルアーのサイズ(重さ)や投げる距離などで番手を変えます。

マッディシャローにおいて、3/8oz程度のダブルコロラドでカバー周りを攻める場合、68Mのフレキシブルな曲りがアキュラシーキャストを容易にし、シングルフックのぺネトレイトを可能にしつつもバラしを軽減し、キャッチ率を高めます。

アフター以降のダム湖のように、ダブルウィロータイプを使ったスピーディーな攻めを行う場合には、68MHの適度な張りがロングキャストアプローチを可能にし、遠くのバイトも確実に掛けてしまいます。

広大なグラスベッドエリアで、ウィードを解しながらスローリトリーブを行うスローローリングでは、68Hの瞬発力と、巨大なトルクが大型魚をバラさずねじ伏せます。無駄な塗料を省いたロウカーボンフィニッシュのティップバッキングの軽さと、スムーズな曲りが強風化のアプローチでもセンシティブさを損ないません。

これらの特性は一定の速度で巻いてくる事と、大きなシングルフックを貫通させる事という共通点から、バズベイトやスイミングジグ、チャターベイトにも同じ事が言えます。

それぞれのルアーの重さやアプローチの距離、リトリーブのスピードなどに対応する事で、様々な釣り場や、刻一刻と変わるシチュエーションに即応する事が出来ます。

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ロッドワークで操作するタイプのルアーにもUTRは幅広く適応します。

ルドラのような大型ジャークベイトや、スーパースプークのような大型ペンシルベイトでは、68Mの粘りと張りのバランスがより広域エリアのサーチを可能とし、突然のバイトにも余裕で対応出来ます。

バイブレーションプラグを使った縦のリアクションスタイルでは68MHの”乗せ”と”掛け”が両立した絶妙なテーパーが効果を発揮します。ジグのようにシャクり、フォールで食わせるハードルアーの釣り。UTRの真骨頂とも言えるスタイルです。

完全なグラスエリアではなく、オーバーハング下のゴミ溜まりなど、ライトなカバーでのフロッグゲームには68Hの軽快なキャスタビリティがアキュラシー重視のアプローチに対応します。巷のフロッグ専用ロッドに比べると少しライトですが、その分投げやすく、操作しやすいので満水時のリザーバーなどでは使い勝手が良いのです。

カエルフィッシュ

J-Customの、いえNorth Fork Compositesの中核シリーズと言えるIMブランクの特性を、日本のフィールドに合わせて最大限に活かすセットアップでビルドする事で生まれたUTRシリーズ。横の釣りだけでこれだけ幅があるのです。

次回はソフトベイトへの適応範囲の広さを紹介してみたいと思います!

Utility Player

ユーティリティープレイヤー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/10/18 20:19 UTC 版)

ユーティリティープレイヤー(Utility Player、UT)は、スポーツ、特に球技において、1人でいくつものポジションをこなす選手を指す言葉である。

今回のUTRシリーズの開発コンセプトはゴルフクラブのアイアンのようなロッド達でした。M~Hを揃えて常備しておけば、あらゆる場面に即応出来る、正にJ-Custom2.0の中核を形成するシリーズを当初よりイメージしていました。

取材やテストで毎回違った場所に釣りに行く事が多い僕の場合、荷物やタックルを少なくする事は必須条件です。まして情報の少ない釣り場で環境に適応するには、応用範囲が広く、優れたバランスが必要なのは釣り人も道具も同じだと思うのです。

使用ブランクはNorth Fork Compositesブランクの中でも張りと粘りのバランスが非常に良いIMシリーズ。ゼロフリクション時のブレの無さからは想像できない、しっとりとした粘りと強靭なトルクを持ったもっともNFCらしさを体感して貰えるブランクです。

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その為、UTRシリーズが適応するルアー、及びテクニックは非常に多岐に渡ります。

同じ近距離、カバー周りでありながら、大きなシングルフックを貫通させる必要があるスピナーベイトやチャターベイト。

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飛距離とキレのある操作性が求められるスプークタイプやジャークベイト。

リフト&フォール主体のバイブレーションプラグも同じです。

 

そして張りと粘りのバランスが非常に優れるIMブランクはテキサスリグやラバージグなどの縦の釣りにも幅広く対応します。

ソフトベイトのノーシンカーによるカバーアプローチにおいても、軽量で粘りのあるブランク特性はキャスト時の浮き上がりを抑え、低弾道でカバーの中へ静かにルアーを滑り込ませます。

イカフィッシュ

こうした軽量でありながらトルクフルなロッド、実は北米市場ではとてもスタンダードだと思うのですが、そこはやはり海外。ハードロイやリコイルガイドだったり、リールシートやハンドル(グリップの事です)が異常にゴツかったり、せっかくのブランク特性をハードウェアが殺してしまってる物が多いのです。

多分外国の人なら身体のサイズに合ってるのかも知れませんが、やっぱりそこは日本人に合わせた物を使った方がストレスが少ないと思います。

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UTRのインターフェイスはTCRと同じ220mmセミダブルハンドル。近距離でのアキュラシーキャストやラインメンディング、リトリーブコースの修正といった、パワフルさと小技のバランスに優れたJ-Custom2.0ならではのハンドリングです。

 

各モデル毎の個人的な使用感や適応ルアーなどは次回!

 

 

THE KEEP CAST

先日より当ブログへのアクセス不具合などがありまして告知が出来ませんでしたが、昨年に続き名古屋で開催されました「THE KEEP CAST」にNorth Fork Composites日本総代理店”ブルーピークス”さんと共同ブースを出展させて頂きました。

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(*写真撮り忘れましたので、堀口さんのブログより拝借しましたww)

THE KEEP CAST自体、昨年よりたくさんのご来場者様にお越し頂いたそうですが、当NFC&mibroブースもまた、昨年より多くのお客さんで賑わっていました。

かなり遠方よりお越し頂いた方も多かったようで、まだまだ熱いバス熱に火傷しそうでしたw

 

さて、今回展示しておりましたNFC J-Custom2.0の新作”ユーティリティ68シリーズ”の予約受付が、全国のNFC取扱店様、パートナーショップ様で始まりました。

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UTR68M(ユーティリティ68M)

Power : Medium
Length : 6ft. 8in.
Line : 8 – 20 lb.
Lure Weight : 1/4 – 5/8 oz.

UTR68MH(ユーティリティ68MH)

Power : Medium Heavy
Length : 6ft. 8in.
Line : 12 – 25 lb.
Lure Weight : 1/4 – 3/4 oz.

UTR68H(ユーティリティ68H)

Power :Heavy
Length : 6ft. 8in.
Line : 12 – 25 lb.
Lure Weight : 1/4 – 1 oz.

また、細かい仕様などは後日詳しく紹介していきたいと思います。