Re:START

今年は久しぶりにKTWLURES(ウッドプラグ)の方も生産を再開します。しかし、これまでのB7やスナブノーズ、漁師クランクといったシリーズではなく、新しいフォーマットでもって生産を開始していきます。

これまでと一番違う部分とそうした理由からご説明します。

これまでのウッドプラグはバルサやレッドシダーという輸入原木を使って生産していました。しかし、これらの原木は輸入品であるがゆえ、流通在庫が不安定で、欲しい部位が手に入るタイミングとそうでない時の差が大きく、常に良質の原木の仕入れを考えておかないといけないという問題がありました。

木材というのは一般的に外側に行く程比重が軽く柔らかくなり、内側に行く程反対に重く硬い材料になります。つまり例え軽量なバルサ材であっても、使う部位によってはまったく比重の違うルアーとなってしまう事があるのです。

この部分を均一化する為に、部位を指定して、比重を均一化する事で製品のバラつきを極力抑えるようにしていましたが、それには指定料金が発生し、原木仕入れコストが跳ね上がります。

また、バルサ材の輸入業者においても、産地である南米エクアドルから結構大きな船便で仕入れている為、特定の部位だけで仕入れる訳には行きません。つまり今ある在庫を売り切ってしまうまで、欲しい比重の部位が入って来ないという状況が続きます。趣味で2~30個作る分にはホームセンターでバルサ材の板を吟味して買うのも楽しいのですが、近年の生産量ではとても間に合いません。

 

また、レッドシダーにおいては、一時期やたら流通してたのに、ある年から急に取り扱い業者が少なくなり、「1コンテナ買ってくれるなら仕入れますよ?」なんて言われるしまつ・・・。これではルアー生産なんてまず無理だな~と暗礁に乗り上げる事になり「輸入品だから仕方ないな~」と思っていたのですが、逆に「輸入品じゃなく国産原木は使えないか?」という思い立ち、色々な木材を試してみる事にしました。

クランクベイトといえばバルサ、フラットサイドといえばレッドシダー・・・みたいなイメージは確かにありますし、それに倣ってルアー作りをしていた部分もあります。しかしこの際、もう一度国産材木でルアー作りに挑戦してみよう。もしかしたら、バルサやレッドシダーとはまた違った良いルアーが出来るかも知れない・・・。そんな挑戦を始めたのが2016年頃だったかと思います。

そして色々な木材を試した結果、今回使用しているのは「桐」という木材。そう、「桐のタンス」で有名な「桐」です。桐という木材はバルサに比べて少しだけ重いものの、建材などに使う材料の中では最も軽く、それでいて正確な製材、彫刻にも耐えられる硬度も持ち合わせています。つまりレッドシダーよりも軽く、バルサよりも丈夫な木材という事になります。

難点は水管が大きく、塗装などの工程で目が止まらず、気泡が発生しやすいという点がありますが、これまでのバルサルアーとは違う下地コーティングを試行錯誤し、塗膜強度をより頑強にしています。

また、このモデルでは2.0mmの厚さのポリカーボネイトを使用しています。通常「基盤リップ」と呼ばれるFRP素材は衝撃には強いものの削れに弱いとされ、反対にポリカリップはリップラップなどにガンガン当てて巻いても削れにくい代わりに、キャストミスでエレキヘッドやカバーにヒットさせると簡単に割れてしまう事があります。今回使用しているのは厚み2.0mmの厳選した硬度のポリカ素材。衝撃、摩耗に強く、またウッドカバーやグラスの根に刺さり難く、スムーズなカバー回避に貢献します。

今回リリースするファーストモデル、サイズ的には旧KTWのシリーズで言えばB7と漁師クランクの中間に位置します。

出荷時に付いてるフックは#2なので、だいたいのサイズ感が想像出来るかと思います。太いラインでシャローカバーをガンガン撃っていく王道的なサイズです。

そうそう、名前をまだご紹介していませんでした。

KTW LURES      KR3 (ケイアールスリー)

2.75in  5/8oz

”3”という事は”1”も”2”もあるという事ですw

カラーの紹介、発売時期、価格などはまた明日にでも・・・。