月別アーカイブ: 2018年3月

トレブルフックの話し

以前このブログでチラッとお話しした楽しみなフックがついに発売されました。

それがこちらのICHIKAWA-FISHING “KAMAKIRI TREBLE SHOT SHANK”です。

人気のカマキリのショートシャンク版なのですが、これが弊社のFURYやデリンジャーは勿論、これまで国産フックではしっくり来なかった海外物のクランクベイトにぴったりなのです。

クランクベイトのフック選びの際、自分が気にしているのはボディ幅とゲイプの関係。

ボディ幅からフックポイントがはみ出すと根掛かりが増えますが、小さすぎてもハリ掛かりが悪く、魚の口からルアーがすっぽ抜けやすくなります。なので、なるべくこの幅が近くなるようにフックを選ぶのですが、ボディレングスの短い丸っこいタイプではなかなかマッチするフックがありません。フックサイズをボディ幅に合わせると、シャンクが長くて前後のフックが絡みやすくなってしまい、シャンク長に合わせるとフックサイズが小さく、フックアップ率が下がってしまいます。なのでこの超ショートシャンクを待っていた人は結構多いのではないでしょうか。

 

ICHIKAWA-FISHINGのKAMAKIRIシリーズの特徴に少し外を向いた針先、いわゆるアウトポイントがあります。これはショートシャンクのフックには非常に重要で、初期掛かり、つまり魚の口にポイントを立てるという部分に大きく影響します。ルアーのボディやアイと近いショートシャンクフックはそれだけでスナッグレス効果が高く、針立ちの悪い条件が重なります。この場合フックポイントを内側に向けてしまうとさらにスナッグレス効果は高まり、丸のみするようなバイトでも、口からすっぽ抜けてしまう事も少なくありません。

ハリ単体ではなく、あくまでルアー(プラグ)に付属する物として考えた場合、貫通力が高いとされるカーブポイント又はインナーポイントはロングシャンクが必須。ショートシャンクで設計する場合は針立ちを重視したアウトポイントが必須であると自分は思っています。

そこから考えると大型のフックがついたビッグベイトの場合、フック自体が太軸でゲイプも大きい事から、硬いロッドでしっかりと貫通してやらなければなりません。またルアーの重量も重いので、フック穴が広がらないようにネムリ形状のポイントで貫通力重視のフックで良いと思います。また、そうしたルアーはサイズも大きく、フックハンガーベースにも余裕があるので、カーブポイントに合うロングシャンクフックでも問題なく着けれると思います。

しかしクランクベイトの場合、フックサイズは#6~#2。シングルフックでいうとスピニングで掛けれるサイズです。さらにロッドはグラスや低弾性カーボンの柔らかい物を使い、フッキング!というより絡め獲るようなファイトスタイルが主になります。そうなると必然的にフックポイントは針立ちの良い”早掛け”ポイントで、例え最初のバイトがテールフック1本でも、ファイト中に魚が暴れるのを利用して、2フックで掛けてキャッチ率を上げていく事も容易いと感じています。

さて、そんなKAMAKIRI SHORT SHANK。以前お話しした弊社のFURYやデリンジャーの替えフックには元より、

これまで合う国産フックがなかなか見つからなかったWEC E-1なんかにもピッタリです。

何で自分がこんなに褒めるのかというと、実は今年発売予定のFURY-midにKAMAKIRI-SHORTの搭載が既に決まっているからなのです。

まあ単なる前宣伝の一環ですww

昨年秋から実釣で使用させて頂き、スペック通りの性能を実感し採用を決めさせて貰った次第です。

太軸なスプロートベンドなので伸び難いのは勿論ですが、適度な粘りもあるのでメキシコで釣りまくってもフック折れは皆無でした。

痒い所に手が届く非常にバランスの優れたフックです。特に一部のクランクベイトには待望のフックだと思いますので、是非試してみて欲しいです。

 

 

GUPPY is Back!

 

キープキャスト2018と西日本釣り博2018では沢山の方にブースを訪ねて頂き、色んなお話しを聞かせて頂きました。こういう場で頂戴するお声はメーカーとして本当に励みになります。本当にありがとうございました。また沢山の差し入れも頂きまして、感謝の至りでございます。次回も出展出来るよう、頑張って釣りが楽しくなるアイテム作りに邁進して参りたいと思います。

さて、そんな両展示会にて、mibro新製品コーナーのセンターを務めたのが「GUPPY」です。

 

「GUPPY」は元々ストリームデザインから発売されていたハンドメイドウッドミノーで、リッピングやジャーキングは元より、ただ巻きでも使えるミノーが欲しいという本人の要望を形にしたマルチパーパスミノーとしてデビューしました。ところがその特殊な形状とスイムバランス、普通のミノーシェイプにはない、大きな後方乱流が人気を呼び、琵琶湖湖北をはじめ各地のビッグバスハンターから釣果報告が相次ぎました。

そしてそのビッグバスハンター達からの要望を元に、よりデッドスローリトリーブに特化した比重の重いボディと、特殊なウェイトバランスのスペシャルモデルをリリースするに至りました。

そうして多くのハンター達の手によってチューンされブラッシュアップされていった「GUPPY」は、マンション建設の為の立ち退きの為、工房閉鎖という形で生産が止まっていましたが、再販を熱望する声は後を絶ちませんでした。

こうした経緯もあり、2017年にストリームデザインと経営を統合した事で、より繊細なセッティングが出来、強度アップと安定した供給、より悩ましいカラーリング展開が可能なインジェクション製法にて「GUPPY」を復活させる事にしました。

デザイナーのスズキタカノリ氏にとっては初のインジェクションモデルでしたので、ウッド素材との違いに四苦八苦してましたが、自分からのリクエストは「あくまで基本はオールパーパスミノー。リッピングもジャーキングも出来るクランキンミノー。でも使う人のチューニング次第でデッドスロー中層巻きにも対応できる幅広いセッティング」でした。

ウッドモデルのグッピーよりも太めのフェイス、より大きくロールする背っぱりボディは量産モデルになる前の手削りワンオフのコンセプトモデルに近い形状。太いテールで大きく水を蹴る為のウェイトバランス。そして、ベリー(フロントフック)を固定する為の強力なネオジムマグネットを内蔵する事で、小さなリップでも根掛かりを減らし流れ藻などのちょっとしたゴミを拾い難い事で一投一投を大切にアプローチする事が出来ます。

フックはICHIKAWA-FISHING RCカマキリ#4を標準装備。110mmのボディをすっぽりと吸い込む大きな口の壁面に掛けに行く仕様です。

クリアレイクの日中での使用を考慮したトランスルーセント(透ける)カラー展開の加え、インナープレート方式の採用によりアバロンカラーもラインナップ。

より悩ましく、自然な透過光で警戒心の強いビッグバスに訴えます。

「GUPPY」のウェイトは18g。このサイズ(110mm)のミノーにしては各段に重いです。しかし大きなテールと背っぱりボディによって空気室は大きく、充分な浮力があります。その為ウェイトシールやグレネードシンカーを使ったチューンでも余力があり、また飛距離においてそのアドバンテージを発揮しますので、MHクラスのタックルでも充分な飛距離が出ます。

ルアーのサイズ感より遥かに大きな質量と水流を有するという事は、より大きなサイズに匹敵する存在感を持つという事になります。MHクラスのロッドで使えるビッグベイト。もしくはビッグベイトの水流に寄ってきても口を使わない狡猾なビッグバスを仕留める喰わせのベイトと考える事も出来ます。

 

「GUPPY」のスペックデータは下記の通り。

GUPPY110

Length:110mm

Weight:18g

Depth:1.5m

5月のリリースを予定しています。

価格やカラーラインナップについてはまたご案内します。

*水中でのアクションはこちらの新製品紹介動画でもご確認頂けます。