月別アーカイブ: 2018年1月

アパッチDW

昨年末にもご紹介したアパッチスピナーベイトにいよいよダブルウィロータイプが追加されます。

タンデムコロラドと同様に、形状、カップなど、mibroオリジナルデザインとなるウィローブレードはその表面の形状も独特です。

通常のハンマードブレードは表面側が凹んだ凸凹形状になっていますが、このブレードは裏から叩いて表面にボコボコと飛び出したおろしがねのような形状をしています。

そもそもスピナーベイトのブレードには表面がツルツルのプレーンタイプと、凸凹したハンマードタイプがあります。これらの使い分けとしてよく言われるのが「面反射と乱反射」つまり視覚効果の違いによる使い分けが一般的ですが、自分は表面処理の違いによる水流抵抗の違い、巻き抵抗の違いを重視します。

表面がツルツルの物と、凸凹の物を比べた場合、ツルツルの方が抵抗が大きくなると言われます。有名なのはゴルフボールのディンプルや、少し前に話題になったSPEED社の水着などでしょうか。表面の凸凹が抵抗を減らし、ボールの飛距離を伸ばしたり、競泳のタイムを縮めるという物です。

このディンプル効果の話をすると以前は「そんなに速く巻くの?w」と嘲笑されたものですが、SPEED社の水着はルアーの速度に近いのでイメージし易いと思います。何せ水の密度は空気の600倍もありますので。

実際ハンドメイド制作時は1日に数百個のルアーをスイムテストします。その時、同じルアーでもトップコートがグロスかマット(つや消し)かの違いで、指に感じる抵抗が結構違ったりもします。

ではなぜブレードの水流抵抗に拘ったかというと、低水温期やマッディウォーターでゆっくり巻く事が多いコロラドと違い、暖かい時期やクリアウォーターで使う事が前提のウィローリーフは「速く巻く」というのが基本であり、前提。高速で広く長くリトリーブする事を目的にブレードをデザインした場合、水流抵抗の少ない表面処理は不可欠だと思うのです。また、ディープをスローに巻く場合も、水流抵抗の小さなブレードはその揚力も小さく、同じ速度で巻いても浮き上がりを抑え、一定のレンジをキープし易くなると思います。

そんな背景もあって、アパッチの企画の際にマッディシャローで使う事が多いコロラドはプレーン、クリアウォーターで使う事が多いウィローをハンマードでデザインしようと決めていました。その時点でこれまでよく言われる「マッディ=ハンマード」「クリア=プレーン」という視覚効果優先の理論とは違う新基準のブレードパターンのスピナーベイトという事になります。

ブレード以外の部分はコロラドタイプのアパッチと同じ。

sus301ハーキュリーワイヤー1.0mm径の丈夫なアーム、4/0サイズのビッグフック、ビーズのロウ付とリング部のスポット溶接、特殊なスカートシステムとヘッドのカスタムペイントなどです。

ブレードはシルバーとゴールド、ブラックニッケルの3色をそれぞれにセットアップしています。

カラーバリエーションはクリアウォーターでの使用を考慮し、DW用の追加色をラインナップ

#06 エメラルドシャイナー

#07 スレッドフィンシャッド

#08 テーブルロックシャッド

#09 ブルブリーム

#10 ダークギル

なんだかんだで調整にとっても時間が掛かってしまったアパッチDW、3月~4月頃の発売予定です。

価格などはまた後日ご案内します。

 

 

新春のご挨拶

 

新年あけましておめでとうございます。

昨年末は2017年にリリースしたルアーなどへの想いを綴って締めくくろうと思っていたのですが、通常業務の終わった年末にもそれなりに仕事はあるもので、気付くと今年も新年明けておりました。

昨年弊社に起きた変化として一番大きな出来事は、問屋(谷山商事)さんと契約した事だと思います。

契約する至った理由としてはまず販売ルートの拡大です。

ルアーに限りませんが、物の値段というのは作る数量で大きく違ってきます。例えばプラスティックのクランクベイトを1個作ろうとすると数百万円掛かります。しかしそれを数千個作れば釣具屋さんで普通に売ってる価格で販売する事が出来ます。まあそんな事は誰でもわかる事ですが、販売価格にして数百円の違いの部分に、各社アイデアと企業努力のしのぎを削っている事はあまり知られていないかも知れません。

ルアーを設計する時に、極力開発費を掛けないように既存の部品を使って巧く纏めていく方法と、専用のパーツを作ってギリギリまで攻め込んだ設計をする方法とがあります。普通に考えれば既存の部品を買ってきて、それで巧く纏める方が安く作れ、少ない数量で生産する事が出来るので在庫リスクも少なくて済みます。しかし、より沢山の販売数量を確保する事が出来れば、専用パーツをふんだんに使っても複数の金型代をペイする事が出来、より良い物を安く販売する事が出来ます。

自分はこれまで開発や生産の部分では色々試行錯誤してきたつもりでしたが、こと販売の部分においては無頓着というか不勉強だった部分は否めません。結果としてmibroはおろかKTWにおいてもロクな利益を出す事が出来ず、自分のビジネスセンスの無さをただただ痛感するばかりでした。

以前、知人の方に「正しい事がしたければ偉くなりなさい」と言われた事があります。当時の自分の立場を心配して言ってくれた言葉なんだと思いますが、確かに良い物を作るにはお金が掛かります。「本当に物づくりで勝負したかったらちゃんと利益を出しなさい」という事なんだと考えるようになりました。

また、これまで弊社では出荷業務や在庫管理を全て自宅兼工房で行って来ました。工房といっても元々店をやっていた小さなスペースに塗装ブースや塗装ラック、工作机や機械類が占領する空間に、年々発注量の多くなる商品をストックしておく事は不可能になってきました。

そんな事もあり、販売の方は問屋さんに相談する事にしました。販売は販売のスペシャリストにお願いする事で、自分は開発の方に専念出来ると考えたからです。

問屋さん扱いになる事で、「儲け主義に走った」とか「ただの商売人になった」とがっかりされる人も居る事は予想出来ましたし、それをリスクと考えた事もありましたが、ただでさえ注目されにくい田舎で、後発のブランドにどんどん追い越されていく現状を考えると、このまま続けてもこれ以上にはなれないし、何より同じ場所に立ち止まって同じ事を続ける事の方が、今まで応援し続けてくれたお客さん達に申し訳ないだろうと考え、契約を決断するに至りました。

問屋さん扱いになる以上、ウチの利益率も減りますし、急に売り上げ数が上がる訳ではありませんが、これまで無頓着だったビジネスの勉強をたっぷりさせて頂いた1年間でした。また、取扱店舗数が増えた事で旨味が減った筈の既存の取り扱い店さん達も、売り出しやイベントで「頑張って!応援してるよ!」と暖かい声を掛けて頂けました。

ただただ勉強と感謝の日々だった2017年が終わり、2018年は頂いたご恩を返せる年にしていきたいと思います。ビジネスが広がったお陰で作れる物も増え、作りたかった物が作れるようにもなって来ました。これまで出来なかった方法や、新しい視点でモノづくりを出来る事でお返し出来るご恩もあれば、新しい出逢いもあるかと思います。

2018年も皆さまと一緒に、バスフィッシングに真剣に向き合える年でありたいと願っております。

 

2018年 元旦

mibro代表 塚本謙太郎