月別アーカイブ: 2015年9月

特注フックと拘りのスカートシステム

チャターその3です。

今回”チャターを作る”と決めた時、真っ先に考察したのがフックです。

チャターベイトはクランクベイトのようにフック交換が出来ないので、フックの形状や太さ、フィニッシュやサイズなどを予め詰めておかなければなりません。

この辺り自分以外のアングラーの意見も色々尋ねて廻り、概ね出揃った意見が・・・

大型ながらも、太過ぎず、ワイドギャップ過ぎない丈夫で刺さりの良いフックである事。

そして塩入りワームをトレーラーにする事が多い事から、サビに強いフィニッシュである事。

 

そんな条件をクリアするフックを色々捜す内にあれやこれやと色々あって・・・

特注する事になりましたww

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ポイントは先が曲り難く、鈍ってもタッチアップが容易なストレートポイント。

フィニッシュはサビに強いブラッククロームめっきを採用。

実際にプロトモデルをテストしてくれた兵庫県の近藤さんからも、

「59cmを筆頭に50upを6本位、他に30~40台で計11本を1日で釣るも、

フック先はまだ曲ってません! コレは素晴らしい!」

とのレポートを頂きました。

非常に拘った部分なのでとても嬉しい評価です。

 

そして最初からこれで行く!と決めてたのがこのスカートです。

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通常のスカートはシリコンラバーが束になった物を真ん中でゴム管などで纏めた物が殆どで、真ん中で分けられたスカートはテール方向になびいて外側と内側のダブルで構成されている事になります。

しかしこのスカートは中央の基部からラバーが放射状に延びていて、内側には何もない状態になります。

これの何が良いかを説明しますと・・・そもそもスカートにボリュームがあり過ぎるとその部分に過剰な水圧を受けて、せっかくブレードが発生させた振動がスカート部分が殺してしまい、スカートやトレーラーにその振動が伝わっていきません。

特にスピナベやバズに比べてトレーラーを付ける率の高いチャターベイトでは、トレーラー+もっさりスカートでボリュームたっぷり、アクションはトレーラー任せになりがちです。

内側スカートを無くす事でラバーの1本1本が踊るようにワサワサし、何の変哲もないピンテールワームがまるで生き物のようにプリプリと泳ぎます。

僕はかなり以前からスピナーベイトのスカートをワイヤーで縛って内側を刈り込むなど、これと同じような効果が出るチューニングを行って来ましたので、もしウチがワイヤーベイトをやる時は必ず採用したいと思っていた方式なのです。

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また非常に細かいカラーデザインが可能なので見ているだけで楽しくなります。

カスタムペイントならではのヘッドの塗装とのコーディネイトも是非楽しんで頂きたいです。

 

ちなみにこのスカート、キャスト時にはこんな風に「キャ~~~!」ってなるので、空気抵抗が少なく、よく飛びます。

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「ププッピドゥ」とか「火星人刑事」とか呼んでますが、非常によく出来たスカートです。

 

現在制作中のチャターベイトを3回に渡ってご紹介させて頂きました。

また発売が近づきましたらカラーや価格などについてご案内させて頂こうと思っております。

KTWLURES初のワイヤーベイト、是非楽しみにしていて下さい。

ではでは。

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オリジナルブレードと拘りのスナップ

チャターの続きです。

使用しているブレードはどこにでもある普通の形ですが、ここにもいくつかの拘りがあります。

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最初は既存のブレードを使用してしまおうと考えていたのですが、先端の形状や穴のサイズや位置を色々弄る内、

これ、作った方が早くない?

と結論付けるに至りました。

そんな訳でせっかくオリジナルなのでブランドロゴを打刻してみました。

(でもこれKTWで出すんだよね・・・と気付いた時は後の祭りww)

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ブレードの厚さは0.5mm、比較的重い部類のブレードです。

そして実釣テストして頂いたマンダム川口さん曰く、

このブレードすっげえ硬くないすか?

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そんな事に気付くのもたいがいスゴいと思いますが、今回の拘り部分でもあるのでちょっと嬉しかったですw

この重くて硬いブレードが生み出す乾いた低周波サウンドがこのチャターの2番目の拘りで、この手の音はグラスや泥底でも減衰し難く、濃いカバーの中でもその存在を強くアピールします。

そしてもう一カ所、特徴的なパーツが付いているのがこの部分。

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このアイの下側に付いた真鍮製のパーツ。

このパーツの目的はブレードの動きを抑制する事

これによって着水時にブレードがヘッドの下側に入り込んでしまうを防ぎ、泳ぎ出しを速く、確実な物にします。

同時に、曲りの一番奥である先端に力点を安定させる事で、デカバスとのファイトでアイが開いてしまうのを防ぎます。

そしてブレードがこの部分に当たる事でより硬質なサウンドを奏でる事が出来ます。

とっても小さな部品なのですが、このルアーの色々無茶なバランスを上手く纏めて融合する為に、幾つもの役割を担っています。

現代サッカーで言うなら正に”中盤の底”です。

 

そしてこのルアーの先端に取り付けられているスナップですが、アメリカのメーカーの物を使っています。

このスナップの最大の良さは先端部の折り返しの長さとバネ弾性の強さにあります。

ルアー交換が早く、アクションに影響を与えにくく、ノットの強度も安定するスナップですが、その最大の欠点はキャストやファイト中などに勝手に外れてしまう事。

そうならないように非常に線径の太いタイプなど色々あるのですが、線を太くした事で非常に硬い上、バネ弾性がなく、一度押し込むと完全に戻らなくなって、結局勝手に外れてしまう・・・なんて物が多くありました。

そんなスナップ難民だった僕を夢中にさせたのがこのスナップで、着脱しやすいのに勝手に外れない

このスナップを使い始めて10年くらい経ちますが、スナップが外れたとか伸ばされたとかいう経験は一度もありません。

何より衝撃だったのは、カナダでNLWを起業された西根さんのビーツァを見た時でした。

例のスナップ、標準装備で付いてますやん・・・

ルアー以外にも色々意気投合する事が多い西根さんですが、この時も「やっぱりぃ~?」「ですよねぇ~!」と女子高生みたいにキャッキャキャッキャとスナップ談義で盛り上がった程ですw

そんな僕と西根さん超お勧めのスーパーなスナップが標準装備となっております。

 

今日は前の方に行きましたので、明日は後ろの方に行く予定ですww

ではでは。

 

 

 

 

 

クランク屋のチャターベイト

 

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facebookにその存在をチラホラほのめかしておりましたチャターベイト、いよいよ全てのパーツが揃い製作に入りましたので、この場でお披露目させて頂きます。

まず一見して目立つ特徴としましては、この扁平なヘッド形状と下向きアイ。

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実はバスボートのハルのようなデザインになっています。

通常のチャターベイトはアーキータイプのヘッドを基準にアイがヘッドの重心よりも上についています。

チャターベイトのアイと重心の位置はとても重要で、アイが重心よりも上にある(つまりブレードからぶら下がったような状態にある)事で安定したアクションをキープ出来ます。

そういう意味ではチャターベイトを良く知る人ほど「これ泳ぐの?」と思うと同時に、「なんでこんな形に?」という疑問を持つかも知れませんが、これこそが今回クランク屋のウチが「チャターベイトを作ろう!」と思ったきっかけに他なりません。

「実は案外チャター好き」な僕は結構以前からチャターベイトを使っていましたが、チャターの最大の欠点である根ガカリの多さに辟易する事も・・・。

あんなスピナベともジグとも知れない見た目のせいで、ついついカバー周りを攻めてしまうものの、オープンタイプのジグヘッドは根ガカリは必至。

ならば圧倒的にカバーに強いチャターは作れないか。

ガードを付けたりフックシステムの変更をしたりすることなく、あくまでヘッドやアイ、フックの角度だけでカバーを躱し、バイトに対して確実にフックアップしていけるチャター、そう!”カバークランキンチャター”を作ろう!と思うに至ったのです。

まずは理想とするアイの位置とフックの角度。

そこから従来の重心バランスを崩さないように、カバーにヒットした際のヘッドのターンを防ぐ形状を模索していきました。

結果としてこのチャターは葦やガマ、ハスの茎や冠水ブッシュといったベジテーション。

消波ブロックや石積みなどのロックエリア。

レイダウンや立木、スタンプなどのウッドカバー。

張り巡らされたロープや杭。

広大なフラットエリアに広がる各種ウィードといった様々なタイプのカバーをスルスルとすり抜けます。

テスト中、着水や着底の瞬間に噛んでしまう事はあっても、一定のリトリーブ中に何かにヒットしてフックがターンして根ガカリというのは殆どありませんでした。

クランク屋の作るカバークランキンの為のチャター。

他にも拘りが盛りだくさん、と言いますか、拘ってない部分がない程なのですが、長くなりそうなので何回かに分けてご紹介します。

ではでは。

B7Deep復活

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以前の工房と一緒にそのマスターや関連部品が全て消失してしまっていた”B7Deep”ですが、この度ようやく復活する事が出来ました。

同時に、ウェイトなど細部の見直しを図り、B7Deepの特長である軽快なウォブルアクションと安定した飛距離を実現しました。

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特徴的なティアドロップ状のラウンドリップは、フルキャストした先でもしっかりと手元に伝わるバイブレーションながら、ノーマルギアのリールでも軽く巻ける抜けの良さが自慢です。

近年ではめっきり少なくなってしまったレッドシダー製のダイビングクランクベイトですが、その釣果を知っている者にとっては欠かせないルアーのひとつだと思います。

僕もそんなウッド製ダイバーの信者の一人であり、それ故にこのルアーを作りました。

ラトル入りの強いベイトを嫌う透明度の高いグラスベッドに潜むデカバス。

ベイトボールに付いて沖をクルーズするリザーバーの中層。

そんなシチュエーションで使いこなせば、他とはハッキリとした差が出るのがウッド製ダイビングクランクではないでしょうか。

 

今回のカラーはこの3色

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・スプラッターバック

まずは基本のシャッドカラーをと思い色々模索するも、”SH4はロデオでやったし、スペックルドはヴァルターさんでやったし・・・”などとぐるぐるぐるぐるめぐらせる後、”ここはシンプルに使用頻度の高いカラーで!”と纏まりスナブやBHDDもやたらボロボロになってるスプラッターバックをチョイスしました。このカラーはマッディな河川でもステインなダム湖でも、ローライトのクリアウォーターでも、本当にどこでも安定して使えるのでついつい投げてしまうカラーです。

 

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・グラスギル

ステイン~クリアなグラスエリアに射し込んだ日差しに照らされたギル・・・というイメージです。

ベースカラーはチャートではなくパール系のイエロー。ウォブルに合わせて反射はするけどこれ自体のUV発色はなし。紫外線に反応するのは(暗がりで目立つのは)スロートとエラ下のオレンジのみです。

 

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・ケイジャンクロー

まるで歌舞伎役者の隈取のようなクローパターンが特徴的ですが、基本は地味系ブラウンクローです。

個人的にはこの手のカラー、10月以降に急激に強くなってくる気がします。木立やウィードが枯れ、赤く染まる為なのか、はたまた水温低下によりプランクトン濃度が下がる事で見える世界が変わるのか、理由は魚に聞いてみないとさっぱりですが、そんな状況を想定したカラーです。もちろんそんなの関係ないよって事も多いと思いますが、もしカラーで悩んだ時には一度試してみて頂ければと思います。

 

そんな訳でB7Deep、まもなくリリースです。

 

KTWLURES     B7Deep

全長:7cm/自重:5/8ozクラス/潜行深度:2.5~3m/レッドシダー製

価格:¥3,400(税別)

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