グラファイトロッドの父を訪ねて2

North Fork Composites社の工場部門のひとつであり、同社の心臓部とも言えるのがブランク製造部門です。
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当然その内部は「社外秘」であり、写真等の撮影も厳しく制限されます。
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中を案内してくれたのはロジスティックと管理を担当するスティーブ。
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HMシリーズに使用するマテリアル、PCS( Paper Carbon Scrim:ペーパー・カーボン・スクリム)について、判りやすく説明してくれます。
当然、工場内部は一定の湿度、温度に管理され、ブランクの均一な仕上がりは勿論、材料のベストな保存維持に貢献しています。

この工場内ではこれらカーボンシートのカッティングからマンドレル(芯金)への巻き付け、焼き入れ、脱芯、仕上げまでを行います。
各モデル毎に細かく指示されたレシピに従いパターンカッティングされたシートと、それを巻き付ける為の独特な形状のマンドレル。
さらにそれらを均等に圧着していく為に、ゲイリーが考案した特殊な構造をしたローリングマシーンなど、本当にたくさんのアイディアと経験が詰まっていて、ただただ感動してしまいました。

その中で少しだけご紹介したいのが、この超ロングなマンドレル。
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10ft、約3mを軽く超えるマンドレル達が林のようにそびえ立ちます。
10ftの1ピースロッドなんて日本ではまず考えられないのですが、この辺りで盛んなサーモンやスティールヘッドフィッシングにはこうした道具が必要なのだそうです。
当然、焼き釜も脱芯の治具も、これが入る超ロングサイズww

膨大な知識と経験値、意識の高い職人技によって作り出されていくブランクに、無機質なカーボンとは思えない温かみのような物を感じた1日目でした。