日別アーカイブ: 2013年9月29日

グラファイトロッドの父を訪ねて。

最近このブログではmibroやKTWLURESのルアー製作などについて書いており、あまり個人的な事は書かないようにしているのですが、今回アメリカ、ワシントン州及びオレゴン州にて、とても貴重な体験をしてきましたので、数回に分けてお伝え出来たらと思います。

今回訪れたのはオレゴン州ポートランド国際空港より車で北上したワシントン州のウッドランドという町のNorth Fork Riverの畔にある「North Fork Conposites」。現役復帰を果たした生ける伝説ゲイリー・ルーミスの経営するロッドブランクメイカーにお邪魔してきました。
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North Fork Compositesがあるウッドランドは緑豊かな美しい街で、沢山のサーモンが遡上してくるNorth Fork Riverをはじめ雄大な自然な囲まれた、まるでファーム(農場)のような所にあります。
広大な土地の中にポツンと立つ電柱のてっぺんにはオスプレイ(ミサゴ)のネスト。
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周囲には馬が飼われていたりと、会社そのものがかなりアウトドアな環境にあったりします。
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この馬がまた、人懐っこくてかわいいのですが、名前を忘れましたwww

こんな道を暫く進むと会社の社屋が見えてきます。
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こちらは事務所なのですが、都会的なビルでもオシャレな建物でもなく、ただの民家のような作り。
でも中には間違いなくこの方が居るのです。
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世界中のアングラーからリスペクトを集め、「カーボンロッドの父」と言われ、末期癌宣告から奇跡の現役復帰を遂げたゲイリー・ルーミス、その人が温かく迎えてくれるのです。

ゲイリーの事務所の中は、プロトタイプや図面で乱雑埋もれたゲイリーの社長室やマネージャーのジョンのオフィスの他、ミーティングなどを行う大きなテーブルや、来客と釣り談義をする為のソファとリビング、お酒の代わりにロッドが林のように整列するバーカウンターなどがあり、とてもリラックス出来る空間なのです。

この敷地内にはブランク工場やビルディング工場、ゲイリーの自宅の他にゲストをもてなす「ルーミス・ロッジ」などがあります。
僕ら日本人の感覚だと、製造からロジスティックまであらゆる部分において、もっと都会に社屋を構えた方が良いように思えるのですが、ゲイリーにとってはこの自然の中に身を置いたような環境こそが、「釣り道具」という自然相手の物作りにおいて最もクリエイティブな環境だと感じているのでしょう。
理屈だとかビジネスだとかどうでもよく、訪れた友人(釣り人)達とわくわくを共有する。それこそがとても大事な事なのだと教えられているような気がするのです。