月別アーカイブ: 2010年12月

RodioDrive

今年最後の出荷となるのは、超久々(5~6年振り?)の制作となります、
「Rodio Drive」です。
実は前回の記事の後、数回に渡ってフラットサイドの事を書こうと思っていたのですが、
色々あって遅れに遅れた作業に鉄火場状態(いつもの事ですが)でした。
この「オリジナルRodioDrive」、
「TYPE-C」と比べてタイトなアクションが特徴で、
ハイスピードなリトリーブを可能にします。
リザーバーや河川でのフィーディングタイムは勿論の事、
プランクトン濃度がグッと下がる低水温期、
水の止まったクリーク内のブレイクなど魚が集まりやすい場所では、
ソフトベイトのように強過ぎないアクション
(トレブルフックの為、テールへのソフトバイトを掛けやすい)
で、活性の落ちた魚を釣っていく事が可能です。
カラーラインナップですが、今回も3色。
・チャートキラー

数あるキャラメルアップル系(チャートベースにグリーンと茶系のバック、
語源はアメリカ版リンゴ飴。青リンゴをキャラメルにディップした物。
味は微妙・・・)の中で個人的に最も好きなチャートキラー。
グリーンスケールの下にゴールドがチラチラ光るショルダーがキモです。
・アラバマレッドクロー

最初期からラインナップされているKTWLURESを代表するカラー。
ガンターズビルで炸裂した最初のB7(プロト)に塗られていました。
そんなアラバマのロコ達に敬意を表して「アラバマレッドクロー」。
シャローレンジにおいて強烈なアピールを持つ赤系カラー。
透明度の高くなる早春や晩秋に効果を発揮すると言われていますが、
元々透明度の高い人造湖や河川では、ハイシーズンでも効果的。
真夏の真っ赤!
夕暮れの赤!
出しどころは意外に多かったりします。
可視光線レベル、紫外線レベル共にコントラストが出易い配色になってます。
・スペックルドシャッド

独特の生っぽさを持つスペックルドシャッド。
パールあり、スケールあり、スプラッシュありで、
塗ってて非常に楽しいカラーでもありますw
バックはこんな感じ・・・

かなり生っぽいです。
ルートビアがタカハヤなら、この子はアブラハヤでしょうか?
水族館の「日本の河川」コーナーに小一時間張り付き、
「この人何が楽しくてアブラハヤなんぞに・・・」
という顔をされた経験を持つ、ちょっと可哀想なビルダーですw
各カラー出荷時にはワイドオープンエリアでの使用を想定して#5フックを搭載しています。
マッディシャローなどのカバー周りで使う場合、#6フックに交換するなどしてください。
若干ですがカバー回避がし易くなります。
さてさて、そんなこんなで完成間近のロデオですが、
なんとか年内出荷に向けて、取扱店様の迷惑も顧みず怒涛のリギング真っ最中ですw

フラットサイド

フラットサイドクランクという言葉が輸入されて何年になるんですかね~。
多くのマスプロさんからもいくつか発売され、
なんか一瞬グワ~っと流行って、一瞬で消えていった感があります。
日本でフラットサイドが流行ったきっかけとなったこの子達。

左からサンダーシャッド(型番忘れました)
フラットシャッド リトルPT
スタンフォード シャロースモーキンシャッド
一時はプレミアになったりして、多くの人が一度は興味を持ったのではないでしょうか。
もちろん、そのままディープなクランクの世界に埋没していったり、
「これ位なら作れるんじゃね?」
とハンドメイドルアーの世界に足を踏み入れた人も多いかもしれません。
しかし、今、これらフラットサイドが定着していない所を見ると、
殆どの人はその効果を体感する事がなかったり、
期待外れだったりしたんではないでしょうか。
まま、好みはそれぞれなので、それをどうこう言う話ではないのですが、
これらが定着しなかった理由のひとつに、情報の不足があったのかも知れません。
思えば、この頃結構聞いた話しに、
「フラットサイドはカバー回避性能が優れてる」
というのがありました。
どこをどうしたらそういう話になるのかは解りませんが、
「フラットサイドは特別なルアーで、これを使えば魚が湧いてくるように釣れる」
という過度の期待が集まっていたのかも知れません。
ところが実際使ってみるとそんな事はなく、
動きもヨタヨタとおぼつかなく、
巻いた感じもヌタヌタと頼りなげ、
勇んでカバーに投げてみても根ガカリばかり・・・。
「これならラウンドのが全然いいじゃん!つかフラットサイドいらなくね?」
そんな結論に達したのかも知れません。
確かにこれらのルアーはカバー回避性能も高くなく、
アクションもそれほどビビットでワイドという訳ではありません。
むしろ逆ですw
それは当時よく言われていた良いクランクの条件、
「太いラインでゆっくり巻いてもよく動く」とか、
「高浮力でハイピッチ」という物にまったく当てはまりません。
まあ、単純に考えてボディが薄いんですから、浮力が高い訳がないんです。
浮力が高くないんですから、当然レスポンスも高くないんです。
では、これらのルアーがなんの為に存在するのか?
それは「表層~中層の高速リトリーブ」です。
これらのルアーはある程度速い巻き速度で使う事を前提に作られています。
なんといったらいいでしょうか・・・
2サイクルのバイクのパワーバンドが上の方にあるように、
ある程度速い速度で巻いてやるとアクションが生き生きとしてきます。
つまり、ゆっくり巻いてもよく動くのではなく、
ハイピッチになるくらいの速度で巻く。
これがフラットサイドを使う上で重要なファクターです。
ラウンドクランクでも高速巻きは可能なのですが、
水噛みがマキシマムに達して、破たん寸前のアトラクターてんこ盛りではなく、
すいすいと余裕を持って泳いでる感じといったらいいでしょうか。
つまり、最初から設定されている巻き速度がある程度速いのです。
使うシチュエーションは、フラットやブレイク、ベイトの集まるショアライン。
リザーバーの水深10mを超える深場での表層という場合もあります。
ダム湖などでは梅雨時期に濁る場合もありますが、
全面濁っているように見えても、表層1mは澄んでいるという場合があります。
そういう場合は、濁りに身を隠した魚の頭上を、
何かから逃げ惑うように高速リトリーブ。
そんな使い方ですから、対象カバーはフラットに点在するスタンプや、
ブランチ(枝)が落ちてメイン(幹)だけになったティンバー、
沖合に転がる石や岩がかわせるだけの物でOK。
そう、バイブレーションよりも少しだけ回避性能があれば充分なのです。
そういった「出し所」みたいな物が解れば、
フラットサイドクランクはラウンドとまったく異なるルアーであり、
その是非を決める要素はまったく違ったものだという事が見えてきます。
「自分の巻くスピードに合ったルアーを選ぶ」のではなく、
「ルアーに合った巻きスピードを見つける」。
もっと言えば、「その時、その魚にあったスピードを見つけ、
そのスピードに合わせてルアーやタックルを決める」でしょうか。
そうやって考えていくと、ルアーの良し悪しなんて本当はないのかも知れません。
どんなルアーも使用条件さえ合えば爆発する危険を孕んでいますし、
その持ち駒が多ければ多い程、釣りは楽しいものになってくるはずです。
フラットサイドがもし本当に、クランクベイトとしてダメな条件を取り揃えたルアーなら、
すぐに淘汰され、ジャンルを生み出す事もなく消滅したでしょう。
しかし、実際は永きに渡って作られ、それを愛用する人も多いルアーです。
もし家のどこかに眠ったままの人が居たら、
是非来シーズンは連れ出してあげてみて下さい。
案外これまでのクランクベイトの常識を破壊してしまう出来事が起こるかも知れませんよ。

名古屋で塊ってきました。

「塊」初上陸となった名古屋JFLCCでは、
たくさんの方にお越し頂き誠にありがとうございました。
お誘い頂いた時からメンバー一同
「大丈夫?浮かない?」
「浮いてるのはいつもだろうよ。」
「でもドキドキしねえ?」
「そもそもドキドキする事自体、自意識過剰じゃね?」
なんて感じでそわそわそわそわ・・・。
最後はもう、「こうなりゃ遠足気分で!」とまとまった名古屋行きでしたw
さて、そんな名古屋行き前の木曜日、
何やら体調が優れず、どこか気怠い感じ・・・。
なんか喉とか痛く、心なしか鼻水も・・・。
「風邪?こんな大事な場面で?」
大事をとって金曜は安静に・・・。
明けて土曜の出発日。
体調いぜん変わらず。
でも寝てる訳にもいかず空港へ。
中部国際空港から電車やら地下鉄やら乗り継いで、
とりあえず栄町のホテルへチェックイン。
暫くボーっとするものの、
御上りさん気質が首をもたげ、頭の中だけはそわそわ・・・。
一応チェックしておいた行きたいとこリスト片手にホテルを出るも、
バス待ちとかしてるウチに、またまたどうでもいい感じに・・・。

結局周囲をウロウロ散策して、一時撤退。
暫くして、仕事を終えた迷ぴあにすとさんと、
「ルアーショップおおの」さんにご挨拶に行っていた行友と合流して食事。
途中で見かけたこんな景色に、
反射的にクルクル回りながらラララと歌いたくなる。

脳裏に浮かぶ前世の記憶なような何かを引き摺って就寝。
翌朝なぜかmacでスキル岡本とバッタリ合流。
「SKEに行きたい」とゴネる岡本を説得し会場へ・・・。
既に到着していた他のメンバー達がバタバタ準備している中に合流。
まったく勝手が解らないまま、あれよあれよとイベントスタート。
熱い・・・!
熱過ぎるぜ、尾張名古屋の戦国アングラー達・・・!
小一時間程で持ってきたルアーの半数が蒸発。
そこに昨夜のタキシードとは打って変わったラフ?な恰好の迷ぴ様登場。
「動画編集してたら遅くなりました~~~~w」
この日の販促用にB7の水中動画、
それも、gen3とgen4の違いを収録したipadを持参。
感謝の涙が鼻から止まらない状態に・・・。
そしてふと見上げると、何やらよく知ったお顔が・・・。
「関東から駆けつけましたきに~~~!」
いつまで経っても上達しない土佐弁で現れたOPA!リョウニン和尚に思わず
「デジャブ?」
もちろんすっかり意気投合のお二人。

もうね、なんか色々どこから突っ込んでいいのか解らない状態に・・・。
リョウニン和尚達だけじゃありません。
チームトーホク相棒AYSさんのお友達、
サックスプレーヤーの加藤さんも
「矢沢さんのツアー中です!」
3人組みのお客さんから
「河北潟の攻め方なんですが・・・」
「河北って、あの・・・?」
「石川県から来ました!!」
もうなんか凄いですよ。
男前というか、ぱわふりゃというか、色々フルスロットルな感じです。
説明機能付きi-padスタンドが居るのをいい事に、
自分のブースほったらかして、色々な方々とお話しさせて頂きました。
また、流石JFLCC、
色々と懐かしい物、知らない物、刺激を受ける物がてんこもり。
でも、僕らクランク好きにとって、最も血がたぎるのはやはりコレ。

行友が言ってましたが、「原点なのに既に完成してるのが凄い・・・」
そうなんですよ。
「クランクベイトとはかくありき」というか、
数十年の時を経た今でも、そのジャンルで王道を極めんとすれば、
自ずとこの形でなっていくであろうと思わせる黄金比率。
今尚色褪せないとは正にこの事なのでしょうね。
「水をこうコントロールしてやろう」とか、
「オリジナリティを表現してやろう」とか、
そうしたエゴから生まれる違和感を一切排除した、
素材と水と魚に謙虚に向き合った結果なのでしょう。

塊メンバーもTHタックルの濱田さんも、
言葉少なくただただ魅入る・・・。
そんなたくさんのPOWERを貰って少し元気になったので、
痴虫のトレードマーク「赤白帽」を強奪。

その後は恒例のファミレス反省会へ・・・。
で、これまた恒例の撃沈w