日別アーカイブ: 2018年9月30日

2面性

 

近年の釣りの中でタイニーサイズのクランクベイトやフラットサイドなど、小さくキャストし辛いルアーを使用する為に柔らかめのカーボンロッドを使う事が多くなってきました。

ウェイトだけでなく巻き抵抗も小さいタイニークランクやフラットサイドには、その繊細なアクションに影響を与えず、またタフコンディション下で使う事から、あまり反発力の強いロッドではルアーのアクションを抑えるだけでなく、魚の小さな吸い込みバイトを弾いてしまい、少ないチャンスを逃してしまう原因にもなります。

しかし、あまりに柔らかいロッドを使うと、不意に来た大物の口にしっかりフッキングする事が出来なかったり、風の強い日にキャストコントロールに悩まされ他の釣りへのスイッチを余儀なくされる場合があります。

シャローウォーターでの使用の多いタイニークランクやフラットサイドはキャストコントロールが命で、ミスればルアーの破損も多くなりますのでタックル選びはとても重要です。

小さなルアーでもしっかり曲がり、必要充分な反発力でもって狙った所を撃ちだす事が出来、風の影響を受け難く、アンダーキャスト時のシャフトぶれを抑えたテーパーデザインのカーボンロッドはタイニーサイズのクランキンにおいてとても大きな力を発揮します。

しかし、そういうロッドというのはクランクベイトだけでなく、シャッドプラグや軽めのトップウォーターなど軽めのプラグ全般に使用する事が出来ます。

素材がグラスからカーボンに変わるだけで、ただ巻きオンリーから軽いトゥイッチなど操作系のアクションに広く対応するようになるのです。

ミディアム以上のウェイトバランスになるとグラスロッドとカーボンロッドの特性がハッキリと現れ、それぞれの特所というか棲み分け的な物が出るな~と感じますが、ML以下だとグラスである必要性を昔ほど感じなくなったというか、むしろカーボンの方が使い易いかなと感じるようになりました。

そしてNomadでは、ここにさらなる要素を加える事にしました。

”タイニークランキンロッドとベイトフィネスロッドの融合”

今のシャローを撃っていく上で、軽量で小さなルアーを正確にピンスポットに撃っていくロッドにはロッド全体でダルンと投げていくのではなく、ベリーからティップの曲がりを使ってスピーディーに撃っていくテーパーが必要。不充分な姿勢での確実なフックアップ性能や細いラインや小さなフックでもバラさないしなやかなベンディングトルク。

理想のタイニークランキンロッドを考えれば考えるほど、「それってベイトフィネスだな」と。

テーパーバランス、ガイドセッティング、そしてグリップ部分のビルドアップ次第ではタイニークランクロッドとベイトフィネスロッドは融合出来るのではないかと・・・。

クランキンロッドにありがちなどっしりとしたグリップデザインではなく、近年のアメリカンロッドに多いシャープなダイレクトマウントのセパレートグリップと、セミマイクロのガイドセッティングにする事で、小さな巻物時のリトリーブ感向上だけでなく、上向き操作時のシャープで繊細な操作感を可能にしました。

超浅溝スプールの高い回転力を持ったベイトフィネスリールであっても、キャストの際にはルアーの重みがブランクに乗る方がコントロールはし易いものです。特に軽量なスモラバやノーシンカーのイモグラブなど、普通に投げるのは簡単でも、オーバーハング奥の小さなスポットに正確に滑り込ませるとなると、ロッドのテーパーバランスに頼らざるを得ません。

また、オフセットフックを使ったカバー周りのドロップショットやネコリグなど、カバーとの接触感度が大切な釣りにおいては、チューブラー1pcブランクの感度が大きなアドバンテージを発揮します。

タイニー系の巻物全般を得意としながら、カバー周りのライトリグを使用出来るというのはオカッパリでの釣りにおいて、これ1本で多くのスポットとメソッドをカバーする事が出来ると言えます。

ありていに言えば、「これ1本で釣りが出来る」という事です。

朝イチにポッパーで広く探り、フラットサイドでブレイクラインを攻めたら、水門周り消波ブロックをドロップショットやネコリグ、沖めの沈み物をノーシンカーで探ったら、タイニークランクで夕方ラッシュを誘う。

そんな使い方が出来てしまうのが強みなのです。

それと、昨年ごろから使い始めた為まだ日が浅いのですが、小さなダブルスイッシャーなんかを使ったいわゆるi字系の釣りにもとても使い易いです。

ウチのテスターさんもハマってるようで、こんなナイスコンディションの魚が釣れてます。

タイニー&フラットサイドクランク用としてこれ以上ないって所まで攻め込んだ設計と、非常に多彩なフィネスアプローチを可能にする2面性を持ったC-68ML。

攻めも守りも超一流のロッドになっていると自負しております。

そんなC-68MLのクランキンシーンがちょっとだけ収録されてます。

ティップのバッキングスピードやベンディングカーブをご覧いただく事が可能かと思います。

是非観てみてください。