S-63Lというロッド

 

昨年のリリース直後に完売となったNomadシリーズの人気機種、S-63Lの2ndロットが間も無く出荷となりますので、この機にS-63Lに込めた制作者の想いを語らせて貰おうと思います。

”自分が100%納得出来るロッドを作れるのは自分だけ!もう自分でロッドを作ろう”と思った2016年の夏、最初に取り組んだのがスピニングモデルのS-63Lでした。

このロッドに込めたテーマはNomadシリーズのメインテーマであるマルチパーパス。”なんでも無難にこなす”ではなく”何でも完璧にこなす”事。

3.5″ノーシンカーや虫系ワームを使ってカバーの中からデカバスを引き出す繊細さとパワー。

ジグヘッドワッキーや軽量ドロップショットでも違和感なく食わせるソフトなティップ。

ディープウォーターのビッグバスハントに必要なネコリグの操作性と強靭なトルク。

言葉にすればありきたりな売り文句ながら、それらを全て1本のシャフトでコントロールするというのは専用ロッドを作るより遥かに攻めた設計が必要な事だと分かっていました。

北浦の杭周りで掛けた魚をコントロールしながらファイトする事。

南湖のウィードにジグヘッドリグを繊細に絡める事。

リザーバーの岬のディープにネコリグを置いて誘い続ける事。

河川のオーバーハング下にノーシンカーをスキップさせる事。

それらを明確にイメージしながらエキストラファーストの強靭なブランクと、無駄を一切省いたグリップデザイン、モノフィラでもブレイドでもリーダーシステムでも正確なロングキャストが出来るガイドシステムを強烈にイメージする事が出来たのは、”それ”が欲しい物だと長年渇望していたから。

”自分が欲しい物は自分で作るしかない”

敬愛するルアービルダーの言葉が脳裏に響いたのです。

結果はすぐに釣果として現れました。

当時開発中だったダブルウィップ7″と合わせて、自分のイメージ通りにルアーを操作出来る事によって、これまでよりスムーズでストレスフリーで精密なイメージを持って釣りを続ける事が出来るようになりました。

特に操作性を重視し、必要最小限のパーツのみで構成されたグリップ部分と、移動時やタックルチェンジの際に不可欠なフックキーパーは長時間の釣りでも疲労が少なく、高い集中力で釣りを続ける事が可能に・・・。

結果、2016年後半から2017年シーズン、最も多くの魚をキャッチするに至ったS-63Lは、強烈な流れとファイトのカナダ/エリー湖のスモールマウスバス達や琵琶湖北湖のロクマルなど、多くの舞台を経験して2017年末に発売となりました。

2017年発売と同時にメーカー及び問屋在庫が終了してしまったS-63L。

お待たせしてしまっている皆さん申し訳ありません。

触った事無いよって方は是非この機にお手に取ってお確かめ頂けましたら幸いです。

マルチパーパスロッド”Nomad”の真骨頂、S-63L 2ndロットリリースでございます。