日別アーカイブ: 2018年3月26日

トレブルフックの話し

以前このブログでチラッとお話しした楽しみなフックがついに発売されました。

それがこちらのICHIKAWA-FISHING “KAMAKIRI TREBLE SHOT SHANK”です。

人気のカマキリのショートシャンク版なのですが、これが弊社のFURYやデリンジャーは勿論、これまで国産フックではしっくり来なかった海外物のクランクベイトにぴったりなのです。

クランクベイトのフック選びの際、自分が気にしているのはボディ幅とゲイプの関係。

ボディ幅からフックポイントがはみ出すと根掛かりが増えますが、小さすぎてもハリ掛かりが悪く、魚の口からルアーがすっぽ抜けやすくなります。なので、なるべくこの幅が近くなるようにフックを選ぶのですが、ボディレングスの短い丸っこいタイプではなかなかマッチするフックがありません。フックサイズをボディ幅に合わせると、シャンクが長くて前後のフックが絡みやすくなってしまい、シャンク長に合わせるとフックサイズが小さく、フックアップ率が下がってしまいます。なのでこの超ショートシャンクを待っていた人は結構多いのではないでしょうか。

 

ICHIKAWA-FISHINGのKAMAKIRIシリーズの特徴に少し外を向いた針先、いわゆるアウトポイントがあります。これはショートシャンクのフックには非常に重要で、初期掛かり、つまり魚の口にポイントを立てるという部分に大きく影響します。ルアーのボディやアイと近いショートシャンクフックはそれだけでスナッグレス効果が高く、針立ちの悪い条件が重なります。この場合フックポイントを内側に向けてしまうとさらにスナッグレス効果は高まり、丸のみするようなバイトでも、口からすっぽ抜けてしまう事も少なくありません。

ハリ単体ではなく、あくまでルアー(プラグ)に付属する物として考えた場合、貫通力が高いとされるカーブポイント又はインナーポイントはロングシャンクが必須。ショートシャンクで設計する場合は針立ちを重視したアウトポイントが必須であると自分は思っています。

そこから考えると大型のフックがついたビッグベイトの場合、フック自体が太軸でゲイプも大きい事から、硬いロッドでしっかりと貫通してやらなければなりません。またルアーの重量も重いので、フック穴が広がらないようにネムリ形状のポイントで貫通力重視のフックで良いと思います。また、そうしたルアーはサイズも大きく、フックハンガーベースにも余裕があるので、カーブポイントに合うロングシャンクフックでも問題なく着けれると思います。

しかしクランクベイトの場合、フックサイズは#6~#2。シングルフックでいうとスピニングで掛けれるサイズです。さらにロッドはグラスや低弾性カーボンの柔らかい物を使い、フッキング!というより絡め獲るようなファイトスタイルが主になります。そうなると必然的にフックポイントは針立ちの良い”早掛け”ポイントで、例え最初のバイトがテールフック1本でも、ファイト中に魚が暴れるのを利用して、2フックで掛けてキャッチ率を上げていく事も容易いと感じています。

さて、そんなKAMAKIRI SHORT SHANK。以前お話しした弊社のFURYやデリンジャーの替えフックには元より、

これまで合う国産フックがなかなか見つからなかったWEC E-1なんかにもピッタリです。

何で自分がこんなに褒めるのかというと、実は今年発売予定のFURY-midにKAMAKIRI-SHORTの搭載が既に決まっているからなのです。

まあ単なる前宣伝の一環ですww

昨年秋から実釣で使用させて頂き、スペック通りの性能を実感し採用を決めさせて貰った次第です。

太軸なスプロートベンドなので伸び難いのは勿論ですが、適度な粘りもあるのでメキシコで釣りまくってもフック折れは皆無でした。

痒い所に手が届く非常にバランスの優れたフックです。特に一部のクランクベイトには待望のフックだと思いますので、是非試してみて欲しいです。