アパッチDW

昨年末にもご紹介したアパッチスピナーベイトにいよいよダブルウィロータイプが追加されます。

タンデムコロラドと同様に、形状、カップなど、mibroオリジナルデザインとなるウィローブレードはその表面の形状も独特です。

通常のハンマードブレードは表面側が凹んだ凸凹形状になっていますが、このブレードは裏から叩いて表面にボコボコと飛び出したおろしがねのような形状をしています。

そもそもスピナーベイトのブレードには表面がツルツルのプレーンタイプと、凸凹したハンマードタイプがあります。これらの使い分けとしてよく言われるのが「面反射と乱反射」つまり視覚効果の違いによる使い分けが一般的ですが、自分は表面処理の違いによる水流抵抗の違い、巻き抵抗の違いを重視します。

表面がツルツルの物と、凸凹の物を比べた場合、ツルツルの方が抵抗が大きくなると言われます。有名なのはゴルフボールのディンプルや、少し前に話題になったSPEED社の水着などでしょうか。表面の凸凹が抵抗を減らし、ボールの飛距離を伸ばしたり、競泳のタイムを縮めるという物です。

このディンプル効果の話をすると以前は「そんなに速く巻くの?w」と嘲笑されたものですが、SPEED社の水着はルアーの速度に近いのでイメージし易いと思います。何せ水の密度は空気の600倍もありますので。

実際ハンドメイド制作時は1日に数百個のルアーをスイムテストします。その時、同じルアーでもトップコートがグロスかマット(つや消し)かの違いで、指に感じる抵抗が結構違ったりもします。

ではなぜブレードの水流抵抗に拘ったかというと、低水温期やマッディウォーターでゆっくり巻く事が多いコロラドと違い、暖かい時期やクリアウォーターで使う事が前提のウィローリーフは「速く巻く」というのが基本であり、前提。高速で広く長くリトリーブする事を目的にブレードをデザインした場合、水流抵抗の少ない表面処理は不可欠だと思うのです。また、ディープをスローに巻く場合も、水流抵抗の小さなブレードはその揚力も小さく、同じ速度で巻いても浮き上がりを抑え、一定のレンジをキープし易くなると思います。

そんな背景もあって、アパッチの企画の際にマッディシャローで使う事が多いコロラドはプレーン、クリアウォーターで使う事が多いウィローをハンマードでデザインしようと決めていました。その時点でこれまでよく言われる「マッディ=ハンマード」「クリア=プレーン」という視覚効果優先の理論とは違う新基準のブレードパターンのスピナーベイトという事になります。

ブレード以外の部分はコロラドタイプのアパッチと同じ。

sus301ハーキュリーワイヤー1.0mm径の丈夫なアーム、4/0サイズのビッグフック、ビーズのロウ付とリング部のスポット溶接、特殊なスカートシステムとヘッドのカスタムペイントなどです。

ブレードはシルバーとゴールド、ブラックニッケルの3色をそれぞれにセットアップしています。

カラーバリエーションはクリアウォーターでの使用を考慮し、DW用の追加色をラインナップ

#06 エメラルドシャイナー

#07 スレッドフィンシャッド

#08 テーブルロックシャッド

#09 ブルブリーム

#10 ダークギル

なんだかんだで調整にとっても時間が掛かってしまったアパッチDW、3月~4月頃の発売予定です。

価格などはまた後日ご案内します。