オリジナルブレードと拘りのスナップ

チャターの続きです。

使用しているブレードはどこにでもある普通の形ですが、ここにもいくつかの拘りがあります。

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最初は既存のブレードを使用してしまおうと考えていたのですが、先端の形状や穴のサイズや位置を色々弄る内、

これ、作った方が早くない?

と結論付けるに至りました。

そんな訳でせっかくオリジナルなのでブランドロゴを打刻してみました。

(でもこれKTWで出すんだよね・・・と気付いた時は後の祭りww)

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ブレードの厚さは0.5mm、比較的重い部類のブレードです。

そして実釣テストして頂いたマンダム川口さん曰く、

このブレードすっげえ硬くないすか?

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そんな事に気付くのもたいがいスゴいと思いますが、今回の拘り部分でもあるのでちょっと嬉しかったですw

この重くて硬いブレードが生み出す乾いた低周波サウンドがこのチャターの2番目の拘りで、この手の音はグラスや泥底でも減衰し難く、濃いカバーの中でもその存在を強くアピールします。

そしてもう一カ所、特徴的なパーツが付いているのがこの部分。

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このアイの下側に付いた真鍮製のパーツ。

このパーツの目的はブレードの動きを抑制する事

これによって着水時にブレードがヘッドの下側に入り込んでしまうを防ぎ、泳ぎ出しを速く、確実な物にします。

同時に、曲りの一番奥である先端に力点を安定させる事で、デカバスとのファイトでアイが開いてしまうのを防ぎます。

そしてブレードがこの部分に当たる事でより硬質なサウンドを奏でる事が出来ます。

とっても小さな部品なのですが、このルアーの色々無茶なバランスを上手く纏めて融合する為に、幾つもの役割を担っています。

現代サッカーで言うなら正に”中盤の底”です。

 

そしてこのルアーの先端に取り付けられているスナップですが、アメリカのメーカーの物を使っています。

このスナップの最大の良さは先端部の折り返しの長さとバネ弾性の強さにあります。

ルアー交換が早く、アクションに影響を与えにくく、ノットの強度も安定するスナップですが、その最大の欠点はキャストやファイト中などに勝手に外れてしまう事。

そうならないように非常に線径の太いタイプなど色々あるのですが、線を太くした事で非常に硬い上、バネ弾性がなく、一度押し込むと完全に戻らなくなって、結局勝手に外れてしまう・・・なんて物が多くありました。

そんなスナップ難民だった僕を夢中にさせたのがこのスナップで、着脱しやすいのに勝手に外れない

このスナップを使い始めて10年くらい経ちますが、スナップが外れたとか伸ばされたとかいう経験は一度もありません。

何より衝撃だったのは、カナダでNLWを起業された西根さんのビーツァを見た時でした。

例のスナップ、標準装備で付いてますやん・・・

ルアー以外にも色々意気投合する事が多い西根さんですが、この時も「やっぱりぃ~?」「ですよねぇ~!」と女子高生みたいにキャッキャキャッキャとスナップ談義で盛り上がった程ですw

そんな僕と西根さん超お勧めのスーパーなスナップが標準装備となっております。

 

今日は前の方に行きましたので、明日は後ろの方に行く予定ですww

ではでは。

 

 

 

 

 

クランク屋のチャターベイト

 

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facebookにその存在をチラホラほのめかしておりましたチャターベイト、いよいよ全てのパーツが揃い製作に入りましたので、この場でお披露目させて頂きます。

まず一見して目立つ特徴としましては、この扁平なヘッド形状と下向きアイ。

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実はバスボートのハルのようなデザインになっています。

通常のチャターベイトはアーキータイプのヘッドを基準にアイがヘッドの重心よりも上についています。

チャターベイトのアイと重心の位置はとても重要で、アイが重心よりも上にある(つまりブレードからぶら下がったような状態にある)事で安定したアクションをキープ出来ます。

そういう意味ではチャターベイトを良く知る人ほど「これ泳ぐの?」と思うと同時に、「なんでこんな形に?」という疑問を持つかも知れませんが、これこそが今回クランク屋のウチが「チャターベイトを作ろう!」と思ったきっかけに他なりません。

「実は案外チャター好き」な僕は結構以前からチャターベイトを使っていましたが、チャターの最大の欠点である根ガカリの多さに辟易する事も・・・。

あんなスピナベともジグとも知れない見た目のせいで、ついついカバー周りを攻めてしまうものの、オープンタイプのジグヘッドは根ガカリは必至。

ならば圧倒的にカバーに強いチャターは作れないか。

ガードを付けたりフックシステムの変更をしたりすることなく、あくまでヘッドやアイ、フックの角度だけでカバーを躱し、バイトに対して確実にフックアップしていけるチャター、そう!”カバークランキンチャター”を作ろう!と思うに至ったのです。

まずは理想とするアイの位置とフックの角度。

そこから従来の重心バランスを崩さないように、カバーにヒットした際のヘッドのターンを防ぐ形状を模索していきました。

結果としてこのチャターは葦やガマ、ハスの茎や冠水ブッシュといったベジテーション。

消波ブロックや石積みなどのロックエリア。

レイダウンや立木、スタンプなどのウッドカバー。

張り巡らされたロープや杭。

広大なフラットエリアに広がる各種ウィードといった様々なタイプのカバーをスルスルとすり抜けます。

テスト中、着水や着底の瞬間に噛んでしまう事はあっても、一定のリトリーブ中に何かにヒットしてフックがターンして根ガカリというのは殆どありませんでした。

クランク屋の作るカバークランキンの為のチャター。

他にも拘りが盛りだくさん、と言いますか、拘ってない部分がない程なのですが、長くなりそうなので何回かに分けてご紹介します。

ではでは。

B7Deep復活

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以前の工房と一緒にそのマスターや関連部品が全て消失してしまっていた”B7Deep”ですが、この度ようやく復活する事が出来ました。

同時に、ウェイトなど細部の見直しを図り、B7Deepの特長である軽快なウォブルアクションと安定した飛距離を実現しました。

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特徴的なティアドロップ状のラウンドリップは、フルキャストした先でもしっかりと手元に伝わるバイブレーションながら、ノーマルギアのリールでも軽く巻ける抜けの良さが自慢です。

近年ではめっきり少なくなってしまったレッドシダー製のダイビングクランクベイトですが、その釣果を知っている者にとっては欠かせないルアーのひとつだと思います。

僕もそんなウッド製ダイバーの信者の一人であり、それ故にこのルアーを作りました。

ラトル入りの強いベイトを嫌う透明度の高いグラスベッドに潜むデカバス。

ベイトボールに付いて沖をクルーズするリザーバーの中層。

そんなシチュエーションで使いこなせば、他とはハッキリとした差が出るのがウッド製ダイビングクランクではないでしょうか。

 

今回のカラーはこの3色

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・スプラッターバック

まずは基本のシャッドカラーをと思い色々模索するも、”SH4はロデオでやったし、スペックルドはヴァルターさんでやったし・・・”などとぐるぐるぐるぐるめぐらせる後、”ここはシンプルに使用頻度の高いカラーで!”と纏まりスナブやBHDDもやたらボロボロになってるスプラッターバックをチョイスしました。このカラーはマッディな河川でもステインなダム湖でも、ローライトのクリアウォーターでも、本当にどこでも安定して使えるのでついつい投げてしまうカラーです。

 

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・グラスギル

ステイン~クリアなグラスエリアに射し込んだ日差しに照らされたギル・・・というイメージです。

ベースカラーはチャートではなくパール系のイエロー。ウォブルに合わせて反射はするけどこれ自体のUV発色はなし。紫外線に反応するのは(暗がりで目立つのは)スロートとエラ下のオレンジのみです。

 

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・ケイジャンクロー

まるで歌舞伎役者の隈取のようなクローパターンが特徴的ですが、基本は地味系ブラウンクローです。

個人的にはこの手のカラー、10月以降に急激に強くなってくる気がします。木立やウィードが枯れ、赤く染まる為なのか、はたまた水温低下によりプランクトン濃度が下がる事で見える世界が変わるのか、理由は魚に聞いてみないとさっぱりですが、そんな状況を想定したカラーです。もちろんそんなの関係ないよって事も多いと思いますが、もしカラーで悩んだ時には一度試してみて頂ければと思います。

 

そんな訳でB7Deep、まもなくリリースです。

 

KTWLURES     B7Deep

全長:7cm/自重:5/8ozクラス/潜行深度:2.5~3m/レッドシダー製

価格:¥3,400(税別)

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PFR71のベンディングカーブ

PFR71シリーズについて、「HにするかMHにするか悩んでます!」というご質問が多く、この辺り文章や写真(動画)ではなかなか伝わらないのでとても難しいのですが、色んな重さでそれぞれベンドしてみましたので参考になれば幸いです。

 

まず、1ozシンカー4個、つまり28g×4=112g。

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PFR71H

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このように71MHの方がちょっとだけティップが入るのが見て判ると思います。

 

次に500mlのペットボトル(約500g)

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この辺りの重さになると、2本のテーパーの違い、71MHがEXファースト、71Hがモデレート気味なファーストなのがはっきり見て取れます。

 

続いて1ℓ(約1kg)のペットボトル。

PFR71MH

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PFR71H

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71MHの方はティップが入りきり、バット部分の張りが出始める辺り。71Hの方はまだティップが残っており、ベリー部分にもまだ余裕があります。

 

最後に2ℓ(約2kg)のペットボトル。

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PFR71H

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これぞプログレッシブテーパーという感じの曲りで、EXファーストの71MHがベリーからバットに掛けてスムーズに負荷移動をしてるのが分かります。これによって応力集中し断面が楕円化する事無く、ブランク全体をサスペンションとして使う事が出来るという訳です。71Hの方も無理なくブランク全体で負荷を受け止めているのが判ると思います。重めのウェイトの物を投げるなら71Hの方が向いているというのが、この写真からも見て取れるのではないでしょうか。

ロッド選びの際、一番良いのは実際に見て、触って確かめてもらうのが一番なのですが、今のご時世なかなか難しい部分もあるかと思います。

この記事が少しでもお役に立てればと思います。

Pitchin’ Flip Rodでワイドオープンエリアを。

North Fork Composites     J-Custom2.0  PFRシリーズが正式発表になりました。

http://nfcjapan.exblog.jp/21384512/

それに伴いPFRのご質問も増えて参りましたので、僕なりのPFRシリーズの使用感や使い分けを何回かに分けてご紹介します。

「PFR」はPitchin’ Flip Rodの略、つまりジグやテキサスをカバー周りにフリップする近距離用ロッドという事になるのですが、実は71MHと71Hではベンディングの特性が大きく異なるセッティングになっています。

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71Hの方はレギュラー気味のファースト。重めのジグやテキサスをフリップして、リフト&フォールする為に少し強めのティップを持ちます。ティップでリグを操作し、ベリーで食い込ませるイメージです。56lbのPEラインで3/4~1ozシンカーでブッシュやウィードに滑り込ませるようなハードな釣りでも快適にフリップし続ける快適さと、突然のバイトもしっかり吸収して食い込ませるノリの良さ、溜めておけば魚を浮かせるド級のトルクを併せ持っています。軽さや感度ばかりではなく、スムーズでトルキーなベンディングを併せ持つ高次元な高弾性ブランクnext HMの真骨頂を体感して貰えるロッドです。

71MHはソフトなティップセクションを持つEXファーストアクション。軽量なリグやノーシンカー、バックスライド系のリグでカバーを攻めるのに不可欠な、より日本的なセッティングを施したパワーフィネスピッチングロッドです。71Hがヘビーウェイトを使ったリアクションの釣りなら、71MHはゆっくりとしたフォールで誘うフィネススタイル。さらに食い込みのよいティップから急激にパワーバンドに達する超掛け調子ながら、ベンディングは一点の淀みなくあくまでスムーズ。様々な角度からのキャストになんなく追従し、ムチのような反発力でカバーの奥の奥までリグを滑り込ませます。

もちろんそれだけの事にシリーズ最長となる年月を費やした訳ではありません。HMブランクの特長を最大限活かした、ワイドオープンエリアの中層リトリーブを行う為のレングス、テーパー、バランスを追求したセッティングを模索してきました。

HMブランクの特長はなんといってもその反発の強さ。圧縮したスプリングが解放されるようにベイトを弾き飛ばします。そして高弾性カーボン特有の軽さと感度は、ノー感じになりやすい中層の釣りにおいて、僅かな抵抗や水流、グラスへのタッチといったインフォメーションを正確に伝えてくれます。そしてHMは高弾性でありながらキンキンと弾かず、モッチリと粘りバイトの衝撃を緩和し、違和感を殺します。根掛かり時のライン鳴りの少なさがその証拠だと思います。

数年に及ぶテストを経た現在、オカッパリでの使用ロッドとして非常に登板回数が多いのが71MH。比較的大きなサイズが狙える河川やダムで、スイムジグやチャターベイト、スピナーベイトや大型ミノー、そしてノーシンカースティックベイトなどを使うパワーゲームに使用しています。

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ボートフィッシングであればこの手の釣りはUTRシリーズで行う事が多いのですが、対岸まで飛ばすキャスタビリティ、遠くの中層を感知するセンシティビティ、フルキャストした先でのフッキングレスポンス、流芯から一気に引き剥がすトルクとレングスで71MHを選ぶ事も多いです。

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ウェストボックスの中身はこんな感じw

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プラグは飛距離の出る”スーパーチナイ(NLW)”や、ジャークではなくゆったりとした波動を出すクランキンミノー”グッピー(ストリームデザイン)”。プロトのチャターベイトや”クランキンジグ(NITTI BAIT)”、マルチプライヤーにフックシャープナー、フックにスナップにヤマセンコー(GaryYAMAMOTO)とかなり少なめですが、短時間の釣行ばかりなのでこんな感じです。

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クランキンジグ(NITTI BAIT)のトレーラーはこんな感じ。スイムベイトとパカチャンク、偶にグラブを使う時もあります。スイムベイトやチャンクのテールの振動、ノーシンカーセンコーのただ巻きウォブルを感じながら巻けるのは正直かなり楽しいです。

長年ロッド作りの仕事に携わってきましたが、HMブランクとの出会いは衝撃でした。ただ、非常に高価な素材でもあるので市場でコンプリートの竿を見る事は殆どありません。なんとかHMのブランクの良さを伝える事が出来ればとテストを重ね、ようやく形にする事が出来ました。是非皆さんにも初めて僕がHMブランクを使った時と同じ感動を味わって欲しいです。これまでの高弾性ロッドに対するイメージは全てぶっ飛ぶと思います。