いくつか頂いたご質問のひとつに、「なぜコロラドブレードなのか」というのがありました。
確かに今国内の市場を見渡すと、圧倒的多数の割合でダブルウィロータイプが主流で、まず基本がダブルウィロー。
そしてあまり使わないけど一応バリエーションとしてタンデムウィローが紹介され、冬季のディープウォーターなど、かなり特殊な用途としてシングルコロラドが紹介される程度。
タンデム(ダブル)コロラドに至っては絶滅危惧種のように扱われてしまっています。
ではそもそもコロラドとウィローの違いは何なのか・・・
コロラドタイプは丸く幅広い形状で、回転角が大きくバイブレーションが強いのが特徴で、その分巻き抵抗も強い為ゆっくりと巻くことが可能です。
反対にウィローリーフはその名の通り柳の葉のような細長い形状のブレードで、回転角が小さく、巻き抵抗が少ない為に、高速でリトリーブする事が出来ます。
この両者の違いをクランクベイトに例えると、
コロラド=ラウンドタイプ
ウィローリーフ=フラットサイドタイプ
のような分類をする事が可能です。
水温が低く魚の動きが遅い時期はコロラドブレードでゆっくりと。
水温が高くなってくるアフタースポーン以降はウィローリーフを早巻きで・・・。
昔から言われてきたスピナーベイトの使い分けも、クランクベイトのそれにとても近いものです。
また、
見通しの利かないマッディウォーターはコロラドでゆっくり。
見切られやすいクリアウォーターはウィローリーフ。
というのもまた理にかなった選択だと改めて思います。
そんな訳で、mibroアパッチはダブルコロラドからの展開となります。
ラウンドタイプのクランクベイトのように、カバー周りをタイトにスローに攻めていけるスピナーベイトです。
もうひとつ多かった質問が、「なぜ太くて硬いアームなのか?バイブレーションを大きくするならアームはソフトで細い物の方が良いのではないか?」というものでした。
「柔らかいアーム=バイブレーションが強い」
昔からよく言われてる事なのですが、果たしてそうでしょうか?
スピナーベイトのバイブレーションとはブレードが回転する事によって生まれる振動です。
確かにその付け根がフレキシブルである程ブレードは大きく回りそうな気もします。
でも、その振動をどこへ伝えたいのか。
僕の場合はヘッドです。
ブレードの回転によって発生した振動をアッパー、ロアアームを経由してヘッドに伝え、スカートやトレーラーを振動させて魚にヘッドを攻撃させたいと思っています。
振動は柔らかい物より硬い物の方が減衰せずに伝達します。
もっと分かりやすく言えば柔らかい竿より硬い竿の方が。より明確にアタリを伝えます。
つまりアームを太くて硬い鋼材にする理由は、より強くヘッドに振動を伝える為です。
また、硬く伸びにくいアームは、フッキングの際のパワーロスも少ないので、大型のフックを使ってもフッキングがよくバラシが少ないと感じます。
そしてノンキーサイズを抜き上げた程度ではビクともしないので、1匹釣る度にアーム角を修正する必要がなく、すぐに次のキャストに入れます。
近年”スピナベは釣れなくなった”なんてよく聞きますが、状況を見極め、タイプ別の正しい選択をすれば全然釣れるルアーですし、むしろそれが一番ハマる事も多いと思います。
クランクベイトやチャターベイトよりもゆっくり巻く事が出来、また、その抜群のスナッグレス性能はシャローカバーを攻める上で圧倒的な武器に成り得ます。
是非これからの晩秋、そして来年の早春、シャローカバーのスピナーベイティングにスポットを当ててみて下さい。