全国の各ショップ様でも既に沢山のご予約を頂いておりますNomadシリーズ。まだ実際に物も見てない状況でのご予約という事で本当にありがたい話です。これまでに手掛けたロッドを評価して下さっているのだと思いますが、「絶対に裏切れないな」と、本当に身が引き締まる思いです。
さて、そんなNomadですが、先日のBS日テレ「夢釣行」に出演させて頂いてから、一段と多くのお問合せを頂いております。そんなお問い合わせへの回答も含めまして、キャスティングシリーズの詳細をご案内したいと思います。
NomadキャスティングシリーズはC-68ML、C-68M、C-68MH、C-72MHという4本から構成されるベイトキャスティングモデルシリーズで、これまでのバーサタイルと違う点はとりあえず何でも投げられる無難なテーパーやアクションではなく、ある程度の使用用途をパワーレンジから限定して、最低でも2通り以上の全く異なる用途で使えるアクションにする事で、携行ロッド本数を減らし、タックルシステムをシンプルにする事を目的に設計しました。
何を言ってるのかよくわからん・・・と言われそうですが、つまりこういう事です。
例えばC-68MLはフラットサイドやタイニークランクを効率よく正確に撃っていく為の性能を持った「ベイトフィネスロッド」です。本来全くアプローチの異なる釣りである為、それぞれ専用設計のロッドが不可欠だった釣りを1本に纏める事で、従来よりも少ない携行本数で釣行出来ます。
多くの場合クランクベイトの釣りとベイトフィネスアプローチを併用する状況は案外少なく、例えば魚が広く散っている場合にはクランクベイトが有効だし、カバー奥でライトリグにしか反応しない状況下ではクランクベイトを投げる機会も少ないと思います。「きっと明日はクランクベイトで爆釣だ!」と意気込んで来たものの、「もっとフィネスなタックルも持って来とけばよかった・・・」なんて後悔した経験持つ人は意外と多いのではないでしょうか。大型のバスボートならロッドストレージから専用タックルを引っ張り出すだけですが、レンタルボートやオカッパリだとなかなかそうも行きません。
最近の自分の釣りではロッドよりも多めにスペアリールを持ってフィールドへ向かう事が増えました。現場の状況次第でリールとラインを換える事でタックルシステムを大幅に変更し、全く違うアプローチを可能にする為です。
Nomadキャスティング(C)シリーズの4本はそれぞれが専用設計並みの得意分野を最低でも2種類以上持ち、使用用途によって全く違う顔を見せ、それらを高次元でやり切れるように設計しました。
”バーサタイルロッド=レギュラーテーパーで色んなルアーを投げられる”ではなく、それぞれが”食わせ”る部分と”掛け”ていく部分、”溜め”を作る部分を持つよう設計されたテーパーとアクションが、現代の複雑を極める多彩なアプローチと様々なフィールドに幅広く対応し、初めて来た釣り場や情報の少ない釣り場でも、アングラーの知識と経験をバックアップし、色々試せる身近なフィールドに変えてくれるはずです。
Sシリーズ(スピニングモデル)と同じくエクステリアはシンプルそのものです。
必要最小限を極めたリールシートとEVAハンドル、エンドグリップのみのシンプルな構造で、ブランクはよくあるグリップ内ジョイント構造ではなく、エンドまで1本のブランクが貫通した完全ブランクスルー1pc構造。軽く、素直で、変に増幅した感度ではなくブランクそのものを握っているような生の感度がストラクチャーとバイトの違いをしっかり伝え、ルアーや魚の状態をアングラーに伝えます。
昨今の軽量小型化されたリールにマッチするナイロングラファイト製リールシートは、よりコンパクトに、よりセンシティブにパーミング出来、右ハンドル、左ハンドルと様々なスタイルに柔軟に対応します。また、メーカーを選ばず、様々なメーカーのリールフットに対応し、ダブルナット仕様の為長時間の使用でも緩みが少なく、頑強にリールを固定する事が出来ます。
EVA製のハンドル(グリップ)部分は、様々なキャスティングスタイル対応出来るオリジナルシェイプ。滑り難く、硬い素材含め拘り抜いたEVA素材は、丈夫で快適なハンドリングを継続する事が可能です。
Cシリーズには大型フックキーパーを装備。大型のシンカーやフックでもしっかりと固定する事が出来る他、ワームに刺したままでフックを固定出来る為、一度セットすると移動の度に刺しなおす手間が無く、ポイントに着いての絡みもなくスムーズに釣りに移行出来ます。
ガイドやラインを傷つける心配もないので、フロッグやジグなどにも絶対良いと思います。
ガイドはステンレス製KRコンセプトガイド。
軽さという部分ではチタンフレームに遅れを取るものの、丈夫さという面では信頼性の高いステンレスフレームSICガイドを採用。今年春には約15%の軽量化を図り操作性もアップしています。
沢山のロッドを保有しているけど、年間でよく釣ってるロッドは僅か数本だったり、使い易いお気に入りロッドは同じ物を数本持っているなんて話しをよく聞きますし、自分自身もそういう事がよくあります。それらが作られた経緯は案外全く違う物で、本来は超がつくほどの専用設計だったにも関わらず、「これ意外となんでもイケるんだよね」なんて言われている名竿達。そんなロッドを狙って作れたら面白いなと思ったのがきっかけでした。
全国のあちこちの釣り場へ行く事が増え、ホールフィールドという概念が無くなってしまった昨今、自分の釣りのスタイルや道具に求める物も随分と変わってきたように思います。
最初に触れた「夢釣行」で触れたカナダ・オンタリオのロケに持って行ったロッドの本数は僅か4本。C-68M、C-68MH、S-63L、S-68Mというベイト2本、スピニング2本にリールを少し多めに持って行きました。経験上、僅か数日間の滞在ではそんなに多くの事は出来ません。ならば最小のタックル数でやれる事をやり切った方が魚と出会えるチャンスは多いと思ったからです。
昨今の自分のフィッシングスタイルそのものを具現化したNomadシリーズ。次回はCシリーズの各モデルの対応ルアーや得意なアプローチについてご紹介したいと思います。