ついにリリースとなります、PFR610ML。
PFRシリーズの末っ子とも言えるライトピッチングモデルです。
このロッドを作るきっかけは1本のロッドとの出会いでした。
まだ現在のJ-Custom2.0シリーズの開発が始まる前、その前身に辺るJ-Custom1.0シリーズにMB662というモデルがありました。
かのゲイリー・ルーミスが新しく始めたメイカーのブランクを日本の工場で組んだ物・・・と聞いてワクワクしない釣り人は居ないでしょう。
MB662はその中のフィネスモデル。
しかしそのアクションは想像とだいぶ違っていました。
ベイトタックルによるフィネスアプローチそのものは10年前に手掛けたファイナルディメンションのPVシリーズで、当時としては画期的だったAR-C理論を応用して超ライトティップとスティッフなバットを組み合わせるというのを経験していたので、現在の超先調子のロッドも理解はしていたのですが、このロッドはティップセクション~バットセクションまでの曲点の受け渡しがとてもスムーズで、「はて?こんなのでソフトベイトの釣りが成立するの?」という第一印象でした。
しかし実際使ってみると、しっかりと食わせるだけでなく感度に優れ、ブランク全体で負荷を受け止める為8lbラインでもブレイクの心配がなく、ファイト中に余裕でボートコントロールを行う事が出来ました。
そして何よりブランクが素直であるが故キャストがしやすく、強めのピッチング時にティップがお辞儀をして水面を叩いたり、弾道が跳ね上がったりする事もなく、スムーズかつ軽快に撃っていく事が出来ました。
ただ、使い込んでいく内に「もっとこうだったらいいのに」という部分も出て来て、それをボスに相談した所「JC2でやってみよう」という事になりました。
そんな訳で取りかかったライトピッチングロッド。
ブランクはMB662がIM(中弾性)だったのに対して、より軽く、よりシャープネスなHM(高弾性)ブランクを採用。
ただ硬いだけじゃないNFCの高弾性はこういう釣りこそ真価を発揮します。
そしてグリップレングスは取り回しを重視してMB662より少し短め。
トリガー部分で合わせると2cmほどショートです。
全体で比べると6’10″と6’6″なので差は僅かですが、このショートグリップのせいもあって有効ブランク長は13cmも長いです。
アクションもモデレートファーストからエキストラファーストとなり、バット部分が強くなります。
個人的な考えですが、この釣りはブランクが長い方が色々操作しやすいと思います。
浮きゴミにラインを引っかけて提灯気味に誘ったり、ちょっとした小枝をロッドストロークで乗り越えたり、オーバーハング下に入れたラインをメンディングしたり・・・フッキングの際もミャク釣りよろしく片手でクイっとロッドを立てれば完了です。
長さは長くなれど、HM素材を使用した事とグリップ周りのリファインで重さはPFR610MLの方が軽いです。
ところで上の写真のMB662についているアルデバラン。
PFR610MLのテストにも使っていたものなのですが、一見ノーマルに見えても中身は別物。
ラインを外すとこんな浅溝スプールになってます。
このリールは所謂BFのプロトモデルで僕が初期のテストを担当していました。
(この後スプールとかリール本体とかフィネス用が出たハズですが、離れてしまったので詳細は知りませんw)
まあ当時はこういう1点物のパーツとかついたファクトリーチューンのリールが色々あり、返却不要だったものがこうして手元に残ってたりもします。
しかし、ロッドが新しくなるのにリールはそのままというのもアレなので、リールも新しいのに買い換えました。
アルファスAIR。
この春発売された最新型を導入しました。
まだ数回しか使ってないですが、軽量コンパクトでストレスフリー。
複数台使ってるアルファスSVと同じ感覚で使えるのがいいですね~。
そしてこのロッドでよく使うのがスモールラバージグ、所謂スモラバ。
最近たまに「スモラバとか使うんですか!?」とか驚かれるんですが、普通に使います。
っていうか釣れる物は何でも使います。
節操の無い釣り人ですからw
一番よく使うのがプロズファクトリーのプロズチューンとトライジグ。
エグジグとかも好きです。
トレーラーはD-1(D-STYLE)とかリーチとか、あとトライジグにはイモグラブ付けてスローフォールさせたりもします。
他にもネコリグやらノーシンカーやら色々使いますし、寒い時期のサスペンドシャッドも使いやすいロッドです。
PFRシリーズはフックキーパー付きなので、ノーシンカーやネコリグ、ドロップショットなんかの持ち運び時もワームが痛み難いです。
HMブランクのフィネスアプローチ、是非体感してみて下さい。