名古屋キープキャスト2015にて正式発表&お披露目しましたJPRシリーズ。
ジャーキング&プラッギングロッド 65L&65MLがいよいよリリース間近となりました。
今回のこの2本については、かなり初期の頃から皆さんの要望が多かったモデルだったのですが、
これについては僕が以前他社さんで開発に関わった6’6”のLと、6’6”のMLの2本も今でも人気ですし、
こうした操作系ハードベイトロッドに広く対応した使い勝手の良いロッドは、実に色々な場面で活躍してくれるので当然の流れかも知れません。
もしUTRをゴルフクラブのアイアンに例えるなら、JPRはサンドウェッジやピッチングウェッジ。
コールドフロントや急な水温上昇による酸欠状態、ハッチに呼応したような急なベイトの接岸など、正にアングラーの適応能力が問われるような”ややこしい場面”で活躍する、そんなバーサタイルかつテクニカルな兄弟です。
さて、この手のロッドで使う代表的なルアーと言えばミノーやジャークベイト。
しかし、これらのルアーには実に様々な種類があり、その得意とするステージも様々です。
これらはいつも僕のタックルボックスに入ってる常連達ですが、大きさ、重さ、抵抗、比重とそれぞれバラバラで、2つとして同じ物がなく、当然これらを1本のロッドでまかなう事は出来ません。
その為、JPRには65Lと65MLの2種類の硬さをラインナップしました。
ただし、この2本を揃えないと釣りが出来ないよと申し上げてる訳ではありません。
よく行くフィールドや、よく使うルアーに合わせて選んで頂けたらと思います。
例えば、ワカサギレイクのフィーディングタイムで圧倒的な使い勝手と釣果を誇るOSPの阿修羅なら65L。
琵琶湖でなくてはならないルアーのひとつ、ルドラをロングキャストし、アクション中のバイトも絡め取るなら65ML。
日本が海外に誇る名作ジャークベイト、ラッキークラフト、ポインター(ビーフリーズ)78なら65L。
Megabass 110(ワンテン)なら65ML。
もちろんジャークベイト以外のルアーにもテストを重ねてきました。
ジャークベイトのように常にロッドをしゃくってる訳ではなく、
クランキンのように巻いて来て、カバーやボトムに当たった際や、狙いたいレンジやスポットの中でスローダウンし、時には軽く、時には強くトゥイッチさせてリアクションバイトを狙うシャッドやロングビルミノーの釣りもJPRのテリトリーです。
操作系ハードベイトと言えばトップウォーターベイト。
JPR65Lで最も楽しい釣りのひとつが小さなスプラッシュ系ポッパー。
軽量なこの手のルアーをロングキャストして、正確にアクションさせる為には、ルアーウェイトがちゃんと乗り、それでいてティップが走るブランクが必要です。
また、NLWのスーパーチナイのような中型ペンシルポッパー、痴虫の55シリーズなどを高速ドッグウォークさせる為には、フレキシブルかつクイックなティップバッキングの65MLがベストマッチングだと思います。
それにしても、UTRやPSR、DSRにも採用しているNFCの中弾性ブランク、IMシリーズのバランスに優れた性能は素晴らしいです。
非常に高密度に巻かれたブランクは、複雑なパターン巻きや外部アシスト無しにとてもネジレ剛性や復元力に優れ、その分とてもスムーズに曲り、ベンディングの停滞する部分がありません。
その為、とてもクイックなのにノリが良く、粘るのに高感度、そして余分な物が無い分厚巻きなのに軽量です。
よく僕がルアーやロッドのテストを行っている近所の川では、岸から結構離れた所に流芯があります。
あくまで動きや調子を見る為の簡単なテストフィールドです。
でも、少しでも釣れそうな所に投げてしまうのが釣り人の心情、ついつい流芯目掛けてフルキャストしてしまいます。
飛距離や遠くのルアーを動かす為のストローク。
食わせる為の柔軟性と、魚をバラさず獲る為のトルクを持ち合わせるベンディングバランスの為のブランクレングス。
このロッドのテスト中は、岸から遠くの魚を狙うのが楽しくなった程でした。
それから、キープキャストで実際にJPRを触った方から頂いた感想で結構多かったのが、
「65L、思ったより張りがありますね!」というもの。
そうなんです。
皆さんTCR610Lの柔らかさを想像されてる方が多かったみたいで・・・。
実はJ-Custom2.0、LとかMとかいう表記はシリーズ毎に違っていて、TCRのMと、UTRのMも硬さが違います。
これはあくまで各シリーズ毎の、つまり例えばクランキンに必要な要素の中のライトやミディアムという表記であって、全モデルの硬さを表す共通の表記ではない、という事です。
常にルアーを巻き続けて、ティップに負荷が掛かった状態をベースとしてるTCRと、ラインスラック(ラインテンションがゼロ)からアクションが始まるJPRでは、求められるロッドの特性が違います。
だからあくまで”ジャーキング&プラッギングの中のライト”であり”ミディアムライト”なのです。
そんな訳で、JPRのLはTCRのMLより張りがあります。
まあ、ブランク特性が違うのでだいたいの比較でしかありませんが、そんな感じだと思って頂けたらと思います。
さて、少々脱線しましたが、JPR65Lは小さ目のトップやジャークベイト、シャッドプラグの他、専用ではないですがシャロークランクをチョイ投げするのにベストバランスです。
JPR65MLは中型トップウォーター、大き目のジャークベイト、ロングビルミノーやミッドクランクなどに。
世界規模で見て良いルアーというのは確かにあると思うのですが、それらが万能かといえばそうではありません。
鋼派やH1GPのようなハードルアーオンリーの大会を経験すると、ハードルアーにもダウンサイジングという戦略は有効であると気付くと思います。
プレッシャーの掛かる人気フィールドや大会、魚のアベレージがそれほど大きくないレイクでは、ハードベイトで無理やり口を使わせたキーパーサイズを、確実にランディング出来る柔軟性を持ったJPRは強い味方になってくれると思います。
重ねて言いますが、2本揃えないと釣りが出来ない訳ではありません。
操作系ハードベイトは皆さんのアイディア次第で無限に広がる楽しい釣りです。